北朝鮮の対ロ兵士派遣「軍事効果大きくない」 米識者が語る真の意味
米政府は、北朝鮮がロシアに兵士3千人を送り込み、訓練を受けさせていると認定しました。ロシア軍とともにウクライナと戦う可能性もあるとみられています。北朝鮮の狙いは。米国の対応は。米コーネル大のデビッド・シルビー准教授(軍事史・政策)に聞きました。
――北朝鮮の動きはウクライナとの戦いに影響しうるでしょうか。
ウクライナでの戦争は数十万人の兵士が参加する大規模なものです。そこに3千人が加わっても軍事的な効果はそれほど大きくないでしょう。
■チャーチルが語った同盟への効果
政治的には大きな意味を持ちます。北朝鮮とロシアの同盟関係の強さを示すものだからです。
兵士の派遣は、国際関係において最も古い形の献身の表明です。我々はあなた方の側に立って戦い、死ぬために兵士を派遣するのだ、と。金正恩(キムジョンウン)総書記がロシアをどれだけ支持しているかを明確に示すものです。第2次世界大戦当時に英国の首相だったチャーチルも「英国を助けるために戦った米兵が死んだ時、同盟は本当に強固になる」と述べたことがあります。
単に訓練するだけではなく、実際に戦闘に投入されるでしょう。戦地に送られ、報道され、注目されるような形で使われると予想しています。負傷したり死亡したりした兵士は両国にたたえられるでしょう。
――米国は、北朝鮮がロシアに弾道ミサイルや砲弾も提供してきたとみて警戒していました。
10/25 18:30
朝日新聞社