イタリアが代理出産を全面禁止 国外の利用も違法、性的少数者ら反発

ベルギー・ブリュッセルで2024年10月16日、欧州連合(EU)と中東湾岸諸国の会議に出席するイタリアのメローニ首相=ロイター

 イタリアで16日、自国民のカップルが国外で代理出産を利用することを禁止する法律が成立した。国内の代理出産はすでに禁止されており、今回の法成立で代理出産は、国外も含めて全面的に禁止される。違反者には禁錮刑や罰金を科す。人権団体などからは、同性カップルが子どもを持つことを阻む措置だとの批判が出ている。

 法案は昨年7月に下院を通過し、16日に上院が賛成多数で可決した。

 第三者の女性に受精卵を移植する代理出産は、妊娠が難しいカップルの選択肢として米国など一部の国で認められている。イタリアでは2004年に国内での代理出産が禁止されたが、今回は法的に認められた国であってもイタリア人カップルが代理出産を利用することを禁じる。

 新法は、メローニ首相率いる右翼政党「イタリアの同胞(FDI)」が提案していた。メローニ氏は16日夜、「子宮を借りることを普遍的な犯罪とする法律が成立した。女性の体と子どもを商品化することに反対する常識的なルールだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

ジャンルで探す