ローマ教皇、枢機卿に東京大司教の菊地氏を任命 日本からは7人目

東京ドームのミサでローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇から杯を贈られた菊地功東京大司教(左から2番目)=2019年11月、東京都文京区、恵原弘太郎撮影

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は6日、菊地功・東京大司教(65)を含む21人を新たに枢機卿に任命すると発表した。枢機卿はローマ教皇庁(バチカン)で教皇に次ぐ高位聖職者。日本人の枢機卿就任は2018年の前田万葉・大阪大司教に続き、7人目となる。12月8日の枢機卿会議で正式に就任する。

 バチカンの発表と東京大司教区などによると、菊地氏は岩手県宮古市生まれで、新潟教区の司教などを経て17年から東京大司教を務めている。1993~94年にアフリカのガーナで布教活動に従事し、95年にはコンゴ民主共和国のルワンダ難民のキャンプでカトリック教会の援助を提供するNGOのボランティアとして活動した。

 カトリック中央協議会(東京都)によると、昨年時点の日本の信者数は約42万人。世界に約14億人の信者がいるとされるカトリック教会の中で、信者が多くない日本から同時期に2人目の枢機卿が選ばれたことには、若い頃に日本での布教を希望し、被爆地の広島と長崎に心を寄せてきたフランシスコ教皇の日本への関心の表れとの見方がある。

 枢機卿は教皇から諮問された課題について意見を述べる。また、80歳未満の枢機卿は、教皇の死去や退位に伴って後任を決める教皇選挙「コンクラーベ」の投票権を持つ。(パリ=宋光祐)

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