「アルジェリア系の名前では大臣になれない」 仏前内相、退任演説で
新内閣が発足したフランスで、23日に引き継ぎ式に臨んだジェラルド・ダルマナン前内務相(41)の退任演説が物議を醸している。自らの移民のルーツを明らかにした上で、仏社会に残る移民への差別の問題を訴えたためだ。しかし、差別を否定する意見もあり、ダルマナン氏に対する批判も出ている。
ダルマナン氏は、マクロン大統領率いる与党の下院議員で、2020年から移民の取り締まりや治安を担当する内相を務めてきた。母方にフランスの植民地だったアルジェリア出身の祖父を持ち、自らがアルジェリア系移民のルーツを持つことを公言している。
ダルマナン氏はパリ市内の内務省で23日にあった引き継ぎ式の退任演説で、普段使っている「ジェラルド」ではなく、祖父と同じ「ムサ」と名乗っていたら、「下院議員にも内相にもなれなかったのは明らかだ」と述べた。
09/25 14:00
朝日新聞社