インド首都の行政トップが辞意 総選挙直前に逮捕、野党の有力指導者

保釈中に報道陣の取材に応じるデリー首都圏政府のケジリワル首相=2024年6月1日、インドの首都ニューデリー、石原孝撮影

 インドで4~6月に実施された総選挙の直前に、汚職容疑で逮捕されたデリー首都圏政府のケジリワル首相が17日、辞表を提出した。同氏が率いる庶民党の幹部が明らかにした。後任には首都圏政府のアティシ教育相が就任する。この幹部は10月ごろに首都圏政府の議会選挙を実施する方針であることも明かした。

 ケジリワル氏は、国会で多数派の与党「インド人民党」のモディ首相に批判的な野党の有力指導者の一人として知られる。総選挙を控えた3月、酒類販売の規制解除を巡る汚職に関与した疑いがあるとして、捜査当局に逮捕されていた。

 選挙直前の逮捕について、支持者からは「与党による弾圧だ」と非難する声も上がっていた。ケジリワル氏は6月、朝日新聞の取材に対し、「逮捕は不当だ」と主張し、「国のためなら一生を刑務所で過ごす覚悟はできている」と強調していた。(ニューデリー=石原孝)

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