中国国防相、台湾・南シナ海の主張を封印 途上国へ前向き姿勢PR?

香山フォーラムの開幕式で演説する中国の董軍国防相=2024年9月13日午前9時7分、北京、畑宗太郎撮影

 中国の董軍国防相は13日、北京で開催中の多国間の安全保障対話「香山フォーラム」の開幕式で演説した。国際会議などの場でたびたび展開してきた台湾や南シナ海に関する主張や対米批判を封印し、同フォーラムに高官を派遣した米国に配慮を示した形となった。

 フォーラムは中国軍部が100以上の国や国際機関から専門家を招き、12日から開催している。米国防総省は昨年よりも高位のマイケル・チェイス国防次官補代理を派遣すると発表している。

■軍人の訓練も「歓迎」 アフリカで6千人育成表明

 董氏の演説は、新興・途上国を指す「グローバルサウス」を意識した発言が目立った。

 董氏は「東西南北を問わず、全ての国は平等であり、対等な立場で自国の正当な権利と利益を守るべきだ」と強調。途上国も他国に左右されずに自主独立した外交政策を進める権利があると述べた。

 その上で、中国は「実務的で開放的な」軍事協力を各国と進めると表明。「中国は各種の訓練を積極的に開き、各国軍隊が訪中して訓練を受けることを歓迎する」と述べた。

 中国は先週、アフリカ各国首脳らを招いた「中国アフリカ協力フォーラム」で10億元(約200億円)の軍事援助を提供し、軍人6千人を育成すると表明している。

■6月の演説では・・・

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