急きょ登板のタイ新首相、経済浮揚へ緊急政策 待ち受ける二つの難題
タイのペートンタン新首相が12日、議会で施政方針演説を行い、10項目の緊急政策を発表した。タクシン元首相の次女で、前首相の解任を受けて急きょリーダーとなったが、政権の安定運営と低迷する経済の好転という、二つの難題が待ち受けている。
ペートンタン氏は緊急政策として、デジタル通貨で国民1人あたり1万バーツ(約4万2千円)の給付を行うと発表した。新政権の主要な景気刺激策と位置づけている。また光熱費の引き下げや、住宅・車のローン負担の軽減に取り組む方針を示し、「全国民の首相として誠実に政府を運営し、国民の利益を成功へと導く」と述べた。
ペートンタン氏は与党第1党・タイ貢献党の党首。8月に憲法裁判所の判断でセター前首相が解任され、急きょ後任に選ばれた。
国民の期待は、政権の安定運営と経済の立て直しだ。連立を組む親軍保守派と折り合いをつけつつ、消費を上向かせ、低成長から脱するための構造改革を進めることが求められる。
■所得格差、少子高齢化、人口減……求められる構造改革 リスクは
09/12 18:30
朝日新聞社