「黒魔術」で大統領に呪い?モルディブで政府高官を逮捕 禁錮刑も

水上コテージが並ぶモルディブのリゾート地=2019年3月、奈良部健撮影

 南アジアの島国モルディブで、環境担当の政府高官が警察当局に逮捕された。AFP通信が27日に報じた。地元メディアによると、この高官は、ムイズ大統領に対して「黒魔術」を使った疑いをもたれているという。

 逮捕されたのは、環境・気候変動・エネルギー省のファティマス・シャムナズ・アリ・サリーム氏。警察によると、他の2人とともに、首都マレで23日に身柄を拘束された。具体的な容疑は明かしていない。

 地元メディアは、シャムナズ氏が「ムイズ大統領に黒魔術をかけたことで逮捕された、と報じられている」と伝えた。報道内容について、警察当局は反応していない。

■罪に問えるのか

 AFP通信は、海面上昇によって今世紀末にはモルディブに人が住めなくなる恐れがあると、国連の専門家が警鐘を鳴らしていることを理由に、シャムナズ氏の職務が「国にとって重要な職務」だとしている。

 モルディブでは、黒魔術を刑法で犯罪行為に規定していないものの、イスラム法にのっとって禁錮6カ月の刑が科される。AFP通信は、モルディブではいまも伝統的な祭事が広く行われ、黒魔術で他者を呪うことができると信じられている、と伝えている。(伊藤弘毅)

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