仏ベルサイユ宮殿で火事騒ぎ 観光客避難、バケツの水で消し止める

2024年6月11日、パリ郊外のベルサイユ宮殿で起きた火災騒ぎで消防士らの脇を通って避難する観光客ら=ロイター

 年間800万人が訪れるとされるフランスの観光名所、パリ郊外のベルサイユ宮殿で11日、屋根から煙が上がり、観光客が一時避難する騒ぎがあった。けが人や収蔵品の被害などはなかった。

 火災騒ぎがあったのは同日午後3時(日本時間同10時)過ぎ。AFP通信によると、改修作業が続いていた屋根の一部分から突然煙が立ち上った。火事は到着した消防士らがバケツの水をかけて消し止めたという。AP通信によると、宮殿の広報部門は煙は木材から上がったとしている。原因は調査中で、観光客は午後4時半ごろ、宮殿内に戻った。

 ベルサイユ宮殿は、フランスのルイ14世時代の17世紀に建てられたバロック建築で、18世紀末までの同国の絶対王政を象徴する建物。パリの南西22キロにあり、第1次世界大戦の講和条約も1919年にここで結ばれた。7月開幕のパリ五輪でも、馬術などの会場になっている。

 パリでは、2019年4月、中心部を流れるセーヌ川のシテ島に立つノートルダム大聖堂で火災が起き、尖塔(せんとう)や屋根が焼け落ちた。(喜田尚)

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