中国、大手国有銀など25機関に汚職一斉調査…「恒大集団」問題など受け金融界引き締めへ

 中国共産党機関紙・人民日報は14日、党の汚職摘発機関である中央規律検査委員会が、大手国有銀行など金融分野の25機関に対し、汚職特捜チームに当たる「巡視組」を派遣したと伝えた。習近平(シージンピン)政権は、経営危機に陥る不動産大手「中国恒大集団」の乱脈経営などを問題視しており、巨額融資に走る金融界を引き締める狙いとみられる。

 金融分野での一斉調査は中国の株式市場で株価が暴落した2015年以来で、習政権発足後で最大規模となりそうだ。調査は約2か月を予定しており、「金融分野の腐敗を処罰し、金融リスクを防ぐ」(人民日報)ことに重点を置く。

 金融当局の中国人民銀行(中央銀行)や銀行保険監督管理委員会、中国建設銀行や中国工商銀行など4大国有銀行、政府系複合企業の中国中信集団などを対象とする。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によれば、中国恒大集団や巨額の負債を抱えた複合企業「海航集団」への融資が調査される見込みだ。

 調査は、電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループや配車サービス大手の滴滴出行(ディディチューシン)などへの投資も対象となるとの見方が浮上している。中国政府はこの2社などへの統制を強化している。

 金融界では、かつて中国建設銀行を率いた王岐山(ワンチーシャン)国家副主席の影響力が指摘される。習氏の3期目政権発足が確実視される来年の党大会を控え、一斉調査が王氏の影響力低下につながる可能性がある。昨年10月には王氏の腹心の部下だったとされる「巡視組」の元次官級幹部が失脚している。(中国総局 比嘉清太)

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