米国で感染8万人超、中国抜き世界最多…人工呼吸器2人で1台の非常事態

26日、米ニューヨーク・マンハッタンで、救急車に運び込まれる患者(ロイター)

 【ニューヨーク=村山誠、ワシントン=船越翔】新型コロナウイルスの米国の感染者数が26日、8万人を超え、中国本土を上回って世界最多となった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が報じた。感染者の増加に加え、死者も急増するニューヨークは、医療体制を維持できるかの瀬戸際にある。

 米国の感染者は26日午後9時(日本時間27日午前10時)現在、8万3329人で、前日から1万人以上増えた。死者は1222人となっている。中国政府は、中国本土の27日午前0時(同午前1時)時点の感染者が前日より55人増えて8万1340人となったと発表し、米国の感染者が初めて中国本土を上回った。

 読売新聞の集計では、世界の感染者は50万人を超えた。

 米国では、感染が地方都市にも広がっている。ロイター通信によると、ルイジアナ州ニューオーリンズでは1日で感染者数が約3割増えた。

 トランプ大統領は26日、全米50州の知事に書簡を送り、各州で行われているウイルス検査の結果を基に、郡レベルの感染リスクを分析し、「高い」「中程度」「低い」の3段階に分類するとの計画を公表した。州当局が外出制限や学校の休校など、感染拡大の抑止に向けた措置を取る上で、この分類を判断の材料としてもらう考えだ。

 一方、ニューヨーク州のクオモ知事は26日、州内の感染者が前日比6448人増の3万7258人となり、死者は前日から100人増えて385人になったと発表した。州内では死者の増加ペースが速まっている。

 ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、1日で13人の患者が死亡したニューヨーク市クイーンズ地区の病院に遺体保管用の冷蔵トラックが横付けされ、医師が「この世の終わりの光景だ」と訴える様子を報じている。マンハッタン地区の駐車場には仮設の遺体安置所も設置された。

 州内では今後約3週間で感染増加のピークを迎え、重症患者に不可欠な人工呼吸器は3万台が必要になると想定されている。しかし、現在確保できているのは約7000台にすぎない。

 クオモ氏は「現実的なシナリオのほとんどで、現在の医療体制の能力を圧倒する」として、1台の人工呼吸器を2人で使う非常手段を承認した。

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