米政権、弾劾調査への協力拒否…「20年大統領選に影響」

 【ワシントン=海谷道隆】米ホワイトハウスは8日、トランプ大統領を巡るウクライナ疑惑で弾劾(だんがい)訴追に向けた調査を進めるペロシ下院議長(民主党)らに書簡を送り、弾劾調査は違憲だとして協力を拒否すると通告した。政権全体として、政府関係者の議会証言や議会への文書提出に応じないことを明確にしたもので、民主党は激しく反発している。

 ホワイトハウスが弾劾調査への包括的な公式見解を示すのは初めてだ。ペロシ氏やシフ下院情報委員長(民主党)らに宛てられた。

 書簡では、弾劾調査がペロシ氏の宣言で始まり下院本会議の決議に基づいていない点や、トランプ氏側に証人への反対尋問の権利が与えられていない点などを問題視し、「根拠なき、憲法違反の試み」と断じた。そのため、「大統領は、党派的調査に政権が関与することを認めることができない」と結論付けた。

 「2016年大統領選の結果を覆し、20年大統領選に影響を及ぼす」狙いだとも主張した。民主党の政治的動機に基づく調査にすぎないと印象付け、世論の支持獲得を目指す戦略とみられる。

 民主党が多数派の下院委員会は、ホワイトハウスや国務省などに文書提出や職員らの議会証言を命じる召喚状を出している。政権が協力拒否を宣言したことを踏まえ、民主党は、議会に対する「調査妨害」を弾劾訴追の理由に加える方向で追及を強める構えだ。ペロシ氏は8日の声明で「大統領の権力乱用に関する真実を隠そうとする試みは、調査妨害のさらなる証拠とみなされる」とけん制した。

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