穀物に続き野菜と果物も高騰…北朝鮮農業、異常高温と大雨で危機

「第2の苦難の行軍」とも呼ばれる食糧難の最中にある北朝鮮。穀物価格を安定させるための措置も、当局の思惑通りに働かず、物価は上昇傾向にある。

最近になって、今度は野菜や果物の価格が高騰していると、平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNKが伝えた。

(参考記事:北朝鮮の穀物価格、配給で安定を図るも上昇に転じる

平城(ピョンソン)の玉田(オクチョン)市場では、500北朝鮮ウォンだったほうれん草の価格が2倍に、900北朝鮮ウォンだった白菜も連日値段が上昇しているという。また、桃は9000北朝鮮ウォン、すももは1万1000北朝鮮ウォン、杏は1万2000北朝鮮ウォンで、昨年比で2倍の価格だという。(いずれも1キロの価格、1000北朝鮮ウォンは約23円)

情報筋によると、ほうれん草、白菜、キュウリ、ナス、トウガラシなどは作況がよく、春先まで価格が安定していたが、最近になって価格が上昇、キュウリ、ナス、トウガラシは品薄になっているとのことだ。野菜、果物価格の高騰のせいで、泥棒が横行し、農民も当局も頭を抱えている。

情報筋が、価格高騰の原因として挙げているのは、異常高温だ。

「昼間の最高気温が33度から38度に迫る日が増え、野菜と果物の生育が止まり、日焼けなど被害が次々に報告されている。特に平安道の主要な果物の産地の粛川(スクチョン)、平原(ピョンウォン)では6月、リンゴ、ナシ、桃が雹に当たり、異常高温も重なり、収穫できたものはあまりなかった」(情報筋)

自然災害を生き抜いたものも、異常高温で生育状況が悪く、外側だけ熟れて中は未熟な身がほとんど。キュウリ、ナス、トウガラシは枯れてしまったという。

さらにこれら地域では、イネの葉を枯らせるいもち病まで広がり、農業は壊滅状態だ。

(参考記事:「いもち病」拡散で打つ手なし、踏んだり蹴ったりの北朝鮮農業

野菜も穀物も人々の食生活に欠かせないものだが、中でも野菜は価格が安いため、経済難に苦しむ人々にとって貴重な栄養源となってきた。ところが今回の価格高騰で、コメも野菜も手が届きにくくなってしまった。

収穫量の減少は首都・平壌への供給にも影響を与えている。国営メディアは供給がなされていると報じているが、商店や市場では野菜や果物が品薄になっていると情報筋は伝えた。

(参考記事:平壌・外国人商店でも肉類は品薄…深刻化する北朝鮮の食糧難

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