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中国「南の万里の長城」建設 ミャンマー国境にフェンス 反体制派の脱出防ぐ?

 【シンガポール=森浩】中国がミャンマーとの国境沿いにフェンスの設置を始めた。両国の国境約2100キロのうち既に約600キロ分が完成しており、米政府系放送「ラジオ自由アジア」(RFA)は、「南の万里の長城」と表現する。違法越境を防ぐことで、国内の反体制派の国外脱出を取り締まる狙いが指摘されているが、一方的な設置にミャンマー国内で反発も起きている。
 フェンスは昨年の早い時期から、中国南部雲南省とミャンマー北東部シャン州の国境付近に設置され始めた。高いところで約3メートルあり、有刺鉄線も付いていて違法な国境間移動を防ぐ狙いがうかがえる。設置に際し、事前にミャンマー側に通告はなかった。
 中国は設置理由について「新型コロナウイルス対策のため」などと説明しているというが、ミャンマー電子メディア「イラワジ」は、フェンスが「(中国国内からの)反体制派の逃亡を防ぐ」と分析した。両国の国境地域では違法薬物を含む密貿易が常態化しており、中国が対策に本腰を入れたとの見方もできる。
 両国は1961年の協定で、双方の摩擦を回避する目的などから国境から10メートル以内に構造物を設けることを禁じている。一方的に国境線を設定される可能性もあることから、ミャンマー政府は「恒久的なフェンスは認められない」などと反発している。ミャンマー外交筋によると、両国は月内に協議の場を設けるという。
 両国関係は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた資本投下で緊密化しており、双方を鉄道や高速道路で結ぶ「中国・ミャンマー経済回廊」構想が計画されている。イラワジは、フェンス設置による関係の悪化が「中国の拡張計画にも影響を与えることになるだろう」と分析している。

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