トランプ氏、訴訟攻勢は不発 遅延戦術に軸足移すが…

 【ワシントン=黒瀬悦成】米東部ペンシルベニア州の連邦地裁は21日、米大統領選で敗北が確実となった共和党のトランプ大統領陣営が同州での約700万票の郵便投票を無効にするよう求めた訴えを退ける判決を下した。トランプ陣営は「大規模な不正投票があった」として複数の激戦州で選挙結果の逆転に向け訴訟を起こしているが、請求は次々と棄却された。陣営は各州の選管による選挙結果の確定を遅らせる戦術に軸足を移したが、形勢逆転の機会は閉ざされつつある。
 ■棄却・取り下げ30件、勝訴は2件
 トランプ陣営の「不正選挙」をめぐる訴えで、棄却されたか、自ら取り下げたのは今回で30件目。これまでに勝訴したのは、ペンシルベニア州での投開票作業の手続きに関して争った2件にとどまっている。
 ペンシルベニア州の連邦地裁はまた、同州選管が選挙結果を確定させることに問題はないとの意見を表明した。同州では民主党のバイデン前副大統領が勝利し、州選管による選挙結果の確定期限は23日。トランプ陣営は同州での訴訟を法廷闘争の「主戦場」と位置付けてきただけに、大きな打撃となるのは確実だ。
 トランプ氏や陣営は「ドミニオン社製の票集計機がバイデン氏に有利になるよう票を改変した」と唱えてきたが、米メディアなどは事実無根の陰謀論と評しており、陣営も訴訟としては一切提起していない。このため陣営は投票や集計の「不備」を主張し、選挙結果の確定を遅らせる戦術に転じていた。
 バイデン氏が僅差で勝利した中西部ミシガン州では、共和党全国委員会と同党州支部が21日、一部開票所の票を再点検する必要があるとして、最終結果の承認を14日間延期するよう州政府に要請した。
 ただ州政府は、最終結果の確定前の票の点検は州法で認められていないとして要請を拒否する方針だ。
 ■「裏技」画策するも…
 トランプ氏は20日、共和党が多数を占めるミシガン州議会の上下両院議長とホワイトハウスで面会し、州議会で同州の大統領選挙人をトランプ氏に有利となるよう選出し直すよう要求したと伝えられている。
 トランプ氏としては時間を稼いだ上で、一般投票の結果とは異なる選挙人を選出させようとしているとみられる。こうした手続きは憲法上は不可能ではないが、極めて異例の措置とされる。両議長は面会後の声明でトランプ氏の要求を拒否したことを示唆した。
 トランプ氏は、結果確定も含め、あらゆる手段でバイデン氏が大統領に選出される要件を満たせないよう工作を繰り広げ、あくまで再選を目指す考えだ。

ジャンルで探す