米国務長官、アフガン政府・タリバンと会談 恒久停戦協議の加速化要請

 【ワシントン=黒瀬悦成、シンガポール=森浩】米国務省は21日、ポンペオ国務長官がカタールの首都ドーハで同日、停戦を目指して和平協議を現地で続けているアフガニスタン政府とイスラム原理主義勢力タリバンの交渉団と個別に会談したと発表した。ポンペオ氏は両交渉団に対し、恒久的かつ包括的な停戦の実現に向けた協議を加速させるよう促した。
 カタールでの停戦協議はトランプ米政権とタリバンによる2月の和平合意に基づき継続されているが、タリバンがアフガン全土でテロや武力攻撃を続けているため停滞状態にある。
 ポンペオ氏はアフガン政府と暴力停止の方策について協議する一方、タリバンには暴力行為を大幅に低減させるよう要請。また、アフガン政府とタリバンが停戦協議を継続させ、一定の成果を上げているとも評した上で、アフガンの人々は平和で安全に暮らす資格があり、人々もそれを求めていると改めて強調した。
 ただ、タリバンはポンペオ氏の要請に簡単に応じるつもりはなさそうだ。アフガン・メディアによると、タリバンは2月以降、全34州のうち16州で政府側に攻勢を掛け、今後も軍事力で政府に圧力をかけ続ける方針だ。
 トランプ政権は17日、アフガン駐留米軍を現在の約4500人から来年1月15日までに約2500人に削減すると発表したが、タリバンは米軍の撤収方針を、国内で勢力を拡大する好機ととらえている。
 国内では他の過激派組織の活動も止まらず、首都カブールでは21日、複数の住宅地にロケット弾が撃ち込まれ、少なくとも8人が死亡。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。
 米国の安全保障専門家の間でも、アフガンの治安情勢の悪化を食い止めるには2500人規模では不十分との見方が支配的で、性急な兵力削減でアフガンの治安情勢を急速に悪化させたオバマ前政権と同じ轍(てつ)を踏むとの懸念が強まっている。

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