ロシアの爆発は「新型兵器」 米側は「原子力巡航ミサイル」と指摘

 ロシア北西部アルハンゲリスク州の軍事施設で起きた爆発事故で、露国営原子力企業「ロスアトム」のリハチョフ社長は12日、死亡した5人の従業員の葬儀に出席し、「悲劇は新たな特殊製品の実験中に起きた。新型兵器の完成にこぎ着けることが最善の供養になる」と述べた。インタファクス通信が伝えた。
 同社の幹部技術者も国営テレビに対し、事故は小型原子炉の開発に関係したものだったと明らかにした。これらの発言から、爆発事故が原子力を利用した新型兵器開発に関係していたことが確実となった。
 トランプ米大統領は12日、この事故について、ロシアが開発中の原子力推進式巡航ミサイル「9M730ブレベスニク」が爆発したものだとツイッターで指摘した。トランプ氏は「米国にも同様の技術はあるが、より発達している」と誇示し、「爆発は施設の周辺と、より広い地域の大気(汚染)について人々を不安がらせている。良くないことだ!」と批判した。
 爆発事故は8日に発生。現場に近いセベロドビンスク市は事故後、大気中の放射線量の数値が一時急上昇したと発表したが、後にこれを取り下げた。国防省などは「同市の放射線量に目立った変化はなかった」としている。
 米核専門家のルイス氏は、包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)の監視システムが計測した結果に基づき、爆発が協定世界時(UTC)で8日午前6時(日本時間同日午後3時)ごろに起きたとする分析を明らかにした。
 ルイス氏によると、爆発事故現場の近くに同日、核燃料運搬船「セレブリャンカ」が停泊していたことが商業衛星画像で判明。同氏はCNNテレビに対し、ロシアが原子力巡航ミサイルの実験を行っていたことを示していると語った。
 ロシアが昨年夏、北極海のノバヤゼムリャ列島で原子力巡航ミサイルの実験に失敗した際も、同船が原子力推進装置の残骸の回収作業を行ったという。
 プーチン露大統領は昨年3月の年次教書演説で、原子力巡航ミサイルなどの新戦略兵器を開発・保有していると強調し、米国を牽制(けんせい)していた。原子力巡航ミサイルは事実上無制限の航続距離を持ち、米ミサイル防衛(MD)網に捕捉されない複雑な飛行経路をとることができるとされる。(小野田雄一、ワシントン 黒瀬悦成)

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