台湾・頼行政院長が辞意、総統選出馬の観測も

台湾の頼清徳行政院長(彦野公太朗撮影)

 【台北=田中靖人】台湾の頼清徳(らい・せいとく)行政院長(首相に相当)は7日の記者会見で、改めて辞意を表明した。辞任の時期は「時期が来れば話す」としたが、立法院(国会)で審議中の予算案が成立する年明けとみられる。頼氏は与党、民主進歩党内の最大派閥に属しており、蔡英文(さい・えいぶん)総統の次の総統候補と目されてきた。頼氏が政権を離れることで、次期総統選出馬の観測が広がりそうだ。
 頼氏は昨年9月、蔡氏が政権立て直しの切り札として台南市長から起用。蔡氏は与党内に十分な足場がなく、頼氏は同じ派閥の陳菊総統府秘書長(官房長官)とともに政権の屋台骨となっていた。
 頼、陳両氏は民進党が統一地方選で惨敗した11月24日夜、辞意を表明、蔡氏に「政局の安定」を理由に慰留された。ただ、その後も同派閥所属の立法委員(国会議員)からは頼氏の辞任説が語られた。頼氏も今月1日、敗北の原因を作ったとして閣僚3人を事実上更迭したが、後任を内部から昇格させ、自身が辞任するまでの暫定人事を行ったとみられていた。頼氏は否定しているとされるものの、2020年の総統選への出馬の臆測は消えない。
 蔡氏は6日、総統府で取材に応じ、「頼院長は1年以上、緊密なパートナーであり、将来もそうだと信じる」と発言。地元紙、聯合報も6日付で、頼氏の派閥は蔡氏の再選を支持すると報じていた。その直後の辞任表明に、総統府は7日、「総統と院長はお互いの考え方を理解している」とすれ違いの否定に追われた。
 蔡氏は11月24日に党主席を辞任して以降も「前党主席」の肩書で党の地方支部に出向き、次期総統選に向けた選挙態勢の「再建」を訴えている。来年1月6日の党主席選で蔡氏に近い人物が当選した場合、蔡氏の再選出馬の可能性は高まるとみられていたが、頼氏の辞任表明で不確定要素が増した形だ。

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