世界で頻発する暴風雨被害 大西洋で同時4個 フィリピンに最大規模直撃か 

 14日朝(日本時間同日夜)に米東海岸に上陸する見通しの大型ハリケーン「フローレンス」のみならず、ハリケーンや台風などの暴風雨被害は世界各地で頻発している。フィリピンでは今季最大の勢力になるとみられる大型で猛烈な勢力の台風22号が15日、フィリピン北部に上陸する見通し。数十兆円規模の経済損失が生じたとされる昨年に続く被害の深刻化に関し、気象機関は「地球温暖化との関連は明らか」と指摘している。
 大西洋では14日現在、命名された暴風雨がフローレンスを含めて4個発生。ハリケーン「ヘレン」はイギリスに向かっている。
 太平洋では、最も高い階級の強さを表す「猛烈な」台風の22号「マンクット」がフィリピンの東海上を西北西に進行。ハリケーンの強さに換算すれば5段階で最高の「カテゴリー5」に相当する今年最大の規模の台風になるとみられ、15日午前にもフィリピン北部を直撃する可能性がある。
 気象庁によると、今年発生した台風は今月11日現在で23個。8月には、統計の残る1951年以降では最多だった60年と66年(10個)に次ぐ9個に上った。
 米国では昨年8月に南部を襲った大型ハリケーン「ハービー」が、米本土に上陸したハリケーンとして観測史上最多の雨量を記録した。同9月には「カテゴリー5」のハリケーン「イルマ」がカリブ海の島々を直撃。世界気象機関(WMO)によると、米国では昨年のハリケーン被害が推定2650億ドル(約29兆円)に上ったという。
 13日、ジュネーブで記者会見したWMOのターラス事務局長は熱帯低気圧の巨大化について、北極などの海氷の減少に伴い海水面が上昇した結果、大量の湿った空気が大気中に蓄えられていることが影響していると指摘。「総合的にみれば地球温暖化と関連しているのは明らかだ」と強調し、今後は最大級の台風やハリケーンの襲来が増えると予測した。
 日本の専門家は、温暖化が現在の台風やハリケーンに与えている影響について慎重な見方を示す。東京大大気海洋研究所の木本昌秀教授(気候変動)は「個々の台風によって発生原因は異なる。温暖化も一つの理由になるが、それだけで起きているわけでもない」と強調する。
 気象庁気象研究所の山口宗彦主任研究官も「過去に比べて強い台風が増えているとする客観的なデータはない。その印象も受けない」と話す。
 一方、将来的な影響については危機意識を高める必要があるという。木本教授は「今後は温暖化の影響がよりはっきりしてくるだろう。それに伴い、強い台風が多くなると考えられ、私たちは備えを固める必要がある」と警鐘を鳴らす。

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