国際

【ジンバブエ・クーデター】軍に監禁、瀬戸際の独裁者ムガベ大統領 黒人解放闘士から強権統治

 【カイロ=佐藤貴生】軍のクーデターに見舞われたジンバブエのムガベ大統領(93)は、黒人解放運動の闘士として知られたが、権力の座につくと手段を問わない強権統治で敵対勢力を排除し、国際社会の非難の的になってきた。国民を一顧だにせず失業率9割以上ともいわれる経済の混乱を放置してきた独裁者が、一夜にして瀬戸際に追い込まれた。
 欧米などはムガベ氏に対し、長らく厳しい態度を取ってきた。欧州連合(EU)は人権侵害を理由に制裁を行っている。今年10月にはいったん世界保健機関(WHO)の親善大使に決まったが、批判が相次ぎ撤回される出来事があった。
 「卑劣で狡猾な人物だ」。英国の閣僚経験者はかつて、ムガベ氏を評してそう語ったといわれる。2008年の大統領選の際、「負けたら政治から身を引く」と話していたが、決選投票に持ち込まれると野党に激しい弾圧を行い、対立候補が「支持者を守るため」として出馬を撤回する事態となった。
 現在の国名となった1980年以降は、黒人解放運動の同志を閣外に追いやり、北朝鮮による訓練を受けた軍事部隊を使って2万人ともいわれる反体制派の大量殺害を行ったとされる。
 黒人の権利拡大を求めて政治運動に身を投じ、当初は国際社会から称賛される存在だったムガベ氏。最近では、「100歳になるまで大統領であり続ける」と語っていたという。