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このカナダの国旗、どこが「まちがい」かわかりますか?

親子でチャレンジ、国旗のまちがいさがし

 国旗には、その国の歴史や文化が表れています。ただ、そうした旗ができるまでの道のりや、歴史的背景などをご存じの方は、それほど多くないのではないでしょうか。スポーツ中継や国際会議のニュースなどでチラリと出てくる旗を「なんとなくのイメージで」覚えているという方も多いかもしれません。

 この記事では、41カ国の国旗の「まちがい」をさがしながら、それぞれの国の成り立ち、国旗にまつわる歴史を知るのがコンセプトの子ども向け書籍『国旗のまちがいさがし』(苅安望[監修])から、選りすぐった問題を出題します。

 子どもだけでなく、大人のみなさんも苦戦されるかもしれませんが、みなさんは上の国旗の「まちがい」、どこかわかりますか?(難易度★★★☆☆/ここでいう「まちがい」は、その国の法律などで決められている「平常時に使う正式な国旗のデザイン」ではないものを指しています)

【正解の画像】縦横の比率がちがう(正式な縦横の比は1:2)

旗は「最も美しく見える比率」でデザインされている

 オリンピック大会や国際連合で使われる国旗は便宜上、縦横比率が2:3に統一されていますが、もともとの国旗は、それぞれ最も美しく見える比率でデザインされています。カナダ国旗の正式な縦横比は1:2で、横幅が縦幅の2倍となります(別画像参照)。

「まちがい」の旗と正式なデザインの国旗、みなさんにはどちらがより美しく見えるでしょうか?

 カナダ国旗は、カナダを代表する木であるサトウカエデの葉を中央に配した赤と白の二色旗です。サトウカエデの英語名は「シュガー・メープル」。ホットケーキなどにかけるメープルシロップは、このサトウカエデの樹液を煮詰めたものです。

 ヨーロッパからカナダに移住してきた人々は、先住民からこのメープルシロップのつくり方を教わったといいます。現在、世界のメープルシロップの80%以上がカナダで生産されています。

旗の「白と赤」が意味するものとは?

 中央の白い正方形は、雪が降り積もるカナダの国土を表しています。

 北アメリカ大陸の北部に位置するカナダは、国土のほとんどが北海道より北にあり、首都のオタワは北海道の稚内とほぼ同じ緯度です。冬は寒さが厳しく雪が多いため、カナダの国技といわれるアイスホッケーをはじめ、スキーやスノーボードなどウィンタースポーツがさかんです。冬季オリンピックでは、カナダはロシアや北欧諸国、アメリカと並ぶ強豪国として有名ですね。

 旗の赤い色は、第1次世界大戦(1914~18年)で流された国民の血ともいわれています。イギリスの植民地だったカナダは、大英帝国の一員としてヨーロッパに兵を派遣し、約6万人が戦死しました。しかし、この多大な犠牲によって、カナダの国際社会における存在感は高まり、それが後のイギリスからの独立にもつながっていったといわれます。

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イギリス国旗つきの赤い旗「レッド・エンサイン」

 カナダには15世紀末以降、イギリスとフランスが進出し、それぞれ植民地が建設されました。18世紀半ばには両国の間で植民地を巡って争いが起こり、その結果、最終的にはカナダにおけるイギリスの支配権が確立します。

 1867年にはカナダ自治領が成立し、翌年には、それまで使っていたイギリス国旗に替わって、左肩にイギリス国旗、右側に盾型の紋章を配した赤い旗がカナダ自治領の域旗として制定されました(別画像参照)。

 このようなイギリス国旗のついた赤い旗を「レッド・エンサイン(イギリス赤色船舶旗)」といいます。

カナダ自治領初期の1868~1921年に使われた旗

イギリス系とフランス系の論争の末に

 その後、第1次世界大戦を経て、カナダが外交的にもイギリスから自立したのは先に述べたとおりです。

 第2次世界大戦後の1949年には、国名から「自治領」が削除され、カナダは主権国家となりました。しかし、レッド・エンサインは、その後も引き続き国旗として使用されます。この旗はイギリス系住民には支持されたものの、フランス系住民の間では当然ながら不評でした。

 そして、カナダ建国100年を目前にした1965年、長い論争の末に定められたのが、イギリス国旗を排除した現在のカナダ国旗です。

 カナダにおける新国旗の成立とその「成功」は、「ブルー・エンサイン(イギリス青色船舶旗)」と呼ばれるイギリス国旗のついた青い旗を国旗に持つオーストラリアやニュージーランドの国旗論争にも影響を与えています。

この記事の出典:
苅安望[監修]『国旗のまちがいさがし

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