米民家5棟の1棟以上、コロナ対策の隔離に不向き 米報告書

米国の民家の5棟に1棟以上は、コロナ感染者の隔離が効果的に行えない状態だという/NIAID-RML

 米国内にある民家5棟のうち1棟以上が、米疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス対策の隔離や分離措置で勧告する条件を満たし得る十分な屋内空間や水道設備を備えていないことが新たな研究報告書でこのほど判明した。

 CDCなどは、感染者は別の寝室、可能なら別の浴室がある生活環境での隔離を提言している。しかし、研究報告書ではこの条件に見合う屋内空間などを持たない民家が全体の20%以上を占めることがわかった。

 今回の報告書は米のケース・ウエスタン・リザーブ大学の保健衛生の格差是正問題を扱う研究組織の博士とニューヨーク市立大学の専門家2人が作成し、米医学誌に掲載した。

 依拠したデータは米国内の住宅事情調査に盛り込まれていた入居済みの民家5万7984戸。この住宅事情調査の対象は約3億300万人が住む全米の民家やアパート1億2157万戸だった。

 報告書は、隔離措置の実施は米国内の全ての住宅用建物の20.8%に当たる2529万戸では不可能と指摘。寝室、浴室あるいは両方が不足しているのが原因とした。居住者が1人以上いる8820万戸のうちの約30%が含まれるとも説明。

 全般的には約8100万人が隔離や分離措置には対応し得ない住宅用建物で暮らしているとした。

 報告書は、新型コロナ対策の隔離措置などを今後進める上で、政策立案者は部屋の稼働率が低いホテルの無料提供を考慮すべきとも主張。複数のアジア諸国はこの対策を導入しているとし、人種的な少数派の間の感染件数の減少につながる可能性もあるとした。

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