死んだコアラがはりつけ状態で発見 豪州保護団体「写真公開」狙い

まるで生きているかのようにはりつけにされたコアラ(ロイター)

 愛くるしいコアラの無惨な姿が波紋を広げている。オーストラリア・クイーンズランド州で10日、コアラが公園の休憩所の柱にはりつけられた状態で死んでいるのが発見された。

 現場はブリスベンから175キロほど離れたギンピーの公園。コアラの保護活動を行うNPO団体「コアラ・レスキュー・クイーンズランド」の元に「休憩所の柱をよじ登っているコアラがいる」と通報があり、職員が現場に駆けつけると、柱にはりつけられて死んでいるコアラを発見した。コアラの両手にはネジが打ち込まれていた。

 同団体は“遺体”の写真をSNS上で公開。瞬く間に世界中から「なんてひどいことをするのか」「本当におぞましい」など、犯人に対する批判の声が殺到している。

 地元メディアによると、死因は不明だが、車にはねられた可能性があるという。毛は血で固まり、柱にはコアラとともにゴムの木の枝がぶら下げられていた。現在、警察が動物虐待容疑で捜査している。

 一方で保護団体がショッキングなコアラの遺体写真を公開したのには、オーストラリア特有の事情もあるようだ。

 ここ数年、コアラの生息地は都市開発や森林火災の影響で狭まり、生息数は18世紀末の1000万匹から30万匹余りに減少。団体側はコアラ保護の法整備を国に訴えているが、実は生息地ではコアラが増えすぎて問題となっている。

 ビクトリア州では、適正とされる「1ヘクタール当たり1匹」というコアラの数が「1ヘクタール当たり11匹」に激増。食料が足りず、飢えて弱ってしまうコアラが多く見られたことから、2013~14年に約700匹を安楽死処分した。

「コアラはユーカリの葉しか食べないため、エサ代は1匹当たり年間1000万円かかるとも。法整備が進まないのは金銭的事情もある。団体側はコアラのはりつけ写真を公開し、保護運動の機運を高めたいのだろう」(事情通)

 我々人間が生息地を奪っておきながら、増えたら殺すではあまりに理不尽。今回のはりつけ写真よりもひどいことをしているのかもしれない。

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