ソフトバンクがOpenAIに2000億円超の追加投資、「孫正義の執拗な要求」が社員の持ち株を引き出す
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ソフトバンクがOpenAIの株式15億ドル(約2273億円)相当を取得する見通しだと、海外メディアのCNBCが報じました。この取引の背景には、ソフトバンクの創業者である孫正義氏による粘り強い要求があったと伝えられています。
OpenAI gets $1.5 billion investment from SoftBank in tender offer
https://www.cnbc.com/2024/11/26/openai-gets-1point5-billion-investment-from-softbank-in-tender-offer.html
SoftBank to boost OpenAI stake with up to $1.5bn investment
https://www.ft.com/content/1a2a9b25-a7f1-4ce0-b537-e67b3853e5ad
CNBCは2024年11月27日に、「OpenAIが同社の株式をソフトバンクに売却することをOpenAIの現役および元社員に認めた」と報じました。
これにより、ソフトバンクは新たな株式公開買い付けで15億ドル相当のOpenAIの株式を取得することが可能になり、また持ち株の処分が制限されているOpenAIの従業員らは株式を現金化するチャンスを得ることができます。
CNBCに情報を提供した関係者2人のうちの1人によると、OpenAIの従業員は12月24日までに株式公開買い付けに参加するかどうか決めなくてはならないとのこと。また、関係者の1人は「この取引はソフトバンクの創業者である孫氏が推進したもので、孫氏はOpenAIの前回の資金調達ラウンドに5億ドル(約757億円)を出資した後、同社のさらなる株式の取得をしつこく要求していた」と話しました。
なお、今回の株式公開買い付けはOpenAIが営利企業に転身する動きとは無関係であると、関係者は述べました。
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ソフトバンク・ビジョン・ファンド2を通じて行われたこの取引は、孫氏のAI分野への関心の強さを物語るものであると位置づけられています。
孫氏は2024年6月の株主総会で、人間の知能を大きく超越した「人工超知能(ASI)」があと10年ほどで実現すると予想した上で、「孫正義はASIを実現させるために生まれてきたのだと本気で思う」と語ったことがあります。
また、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2は2024年に入り、Glean、Perplexity、PoolsideなどのAIスタートアップにも投資しています。
一方、OpenAIの評価額は2022年にChatGPTを公開してからの2年で1570億ドル(約23兆円)に達しており、仮にソフトバンクの投資がなくてもOpenAIは数十億ドル程度の資金調達には苦労しないだろうともいわれています。
例えば、OpenAIの最も重要なパートナーと見なされているMicrosoftはOpenAIに130億ドル(約2兆円)以上投資していると見積もられているとのことです。
複数のメディアがソフトバンクとOpenAIに問い合わせしましたが、両社ともコメントを控えました。
11/28 14:00
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