X(旧Twitter)が広告出稿を停止した企業連盟への訴訟にTwitchを加える、失った広告収益は数千億円規模との主張
X(旧Twitter)は2024年8月に、大手企業らがXへの広告出稿を一斉に停止したことは「反トラスト法違反に該当する」として世界広告主連盟(World Federation of Advertisers)と加盟企業4社を提訴しています。さらにXは2024年11月18日に該当の訴状を修正し、訴訟の対象に動画配信プラットフォームのTwitchを加えました。
X v World Federation of Advertisers - amended complaint.pdf
(PDFファイル)https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/legaldocs/lgvdjjgxyvo/X%20v%20World%20Federation%20of%20Advertisers%20-%20amended%20complaint.pdf
Musk's X adds Twitch as defendant in lawsuit over advertising 'boycott' | Reuters
https://www.reuters.com/legal/transactional/musks-x-adds-twitch-defendant-lawsuit-over-advertising-boycott-2024-11-19/
X adds Twitch to its advertising boycott lawsuit
https://www.engadget.com/social-media/x-adds-twitch-to-its-advertising-boycott-lawsuit-215540775.html
Xはこれまでにもたびたび広告収入の減少に苦しめられており、2023年2月には実業家のイーロン・マスク氏が当時のTwitterを買収した混乱の影響で、主要広告主の半数以上が広告出稿を停止したことが報じられたほか、2023年11月には広告がヘイトスピーチや親ナチス的な投稿に掲載されたとの指摘を懸念した広告主らが次々とXからの撤退を表明しました。
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by Daniel Oberhaus
対するXはテキサス州北部地区連邦地方裁判所に対し、世界広告主連盟のイニシアチブである「責任あるメディアのための世界同盟(Global Alliance for Responsible Media:GARM)」が、共謀して加盟企業らにTwitterの広告枠の購入を停止するか、または大幅に削減させたと主張しました。そして、2024年8月に世界広告主連盟と、その主要な加盟企業である家庭用品大手のユニリーバ、大手食品会社のMars、ヘルスケア企業のCVS Health、デンマークの電力会社のØrsted A/Sを起訴しています。なお、2024年10月にXは「合意に達した」としてユニリーバに対する請求を取り下げたことを明らかにしています。
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by UK Government
続いてXは2024年11月19日に当該訴訟を修正し、Twitchを含む数十の企業が、GARMと共謀してXでの広告出稿を停止したと主張しました。Xによると、これらの企業による広告出稿の停止の結果、数十億ドル(数千億円)規模の広告収入が失われたとのこと。特にTwitchは2022年11月のマスク氏によるTwitter買収以降、Xで広告を出稿していないことが指摘されています。
Xは「これらの企業がGARMと共謀して広告出稿を停止したことは独占禁止法に反する違法行為だ」と主張しており、問題解決に向けて陪審員裁判を要求しています。
なお、記事作成時点でTwitchとその親会社であるAmazon、ならびにXはコメントを残していません。
11/21 10:34
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