ウィキメディア財団が訴えられた裁判に関するWikipediaの記事が裁判所の命令によって公開停止に

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Wikipediaはウィキメディア財団によって運営されているオンライン百科事典であり、世界中のボランティアによって執筆・編集が行われています。そんなWikipediaの英語版に掲載されていた「報道機関とウィキメディア財団の裁判に関する記事」が、インドのデリー高等裁判所による命令を受けて全世界でブロックされてしまいました。
Wikipedia suspends page on the ongoing defamation lawsuit filed by ANI against Wikimedia Foundation - The Hindu
https://www.thehindu.com/news/national/wikipedia-suspends-access-to-ani-defamation-case-page-following-delhi-hc-order/article68778075.ece

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インドの報道機関であるAsian News Internationalは長年にわたり、インド外務省の事実上の広報部門として活動してきたと指摘されています。特に、2014年にインド人民党を率いるナレンドラ・モディ首相が政権を握ると、より一層政府との関わりを強化し、親政府・反パキスタンのプロパガンダやフェイクニュースを拡散しているとのこと。
一連の批判については、Asian News Internationalの英語版Wikipediaのページにも記述されています。これに対してAsian News Internationalは2024年7月に、「Wikipediaの記事によって名誉を毀損(きそん)された」としてウィキメディア財団を訴えました。
Asian News Internationalはデリー高等裁判所に提出した書類の中で、「ウィキメディア財団は通信社の評判を落とし、その信用を失墜させることを目的とした悪意を持って、虚偽の中傷的な内容を掲載した」と主張。ウィキメディア財団に対し、2000万ルピー(約3600万円)の損害賠償と記事の編集を求めています。

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今回問題となったのは、Asian News Internationalがウィキメディア財団に対して起こした訴訟についてまとめた、「Asian News International vs. Wikimedia Foundation(Asian News International対ウィキメディア財団)」という記事です。
訴訟を担当するデリー高等裁判所のマンモハン首席判事らは、訴訟に対する批判を説明したWikipediaのページは「裁判手続きの干渉」に相当するとして、裁判所で審理中の事件に関する報道と議会での発言を制限する「subjudice principle(訴訟継続中原則)」に違反すると裁定。裁判に関するWikipediaページの削除を命令しました。
実際にAsian News International vs. Wikimedia Foundationの記事にアクセスすると、記事作成時点では以下のように「ウィキメディア財団はデリー高等裁判所の命令により、財団の権利を損なうことなくページへのアクセスを停止しました。私たちは利用可能なあらゆる法的選択肢を追求しています。私たちは人権としての知識へのアクセスに、引き続き尽力していきます。私たちは、誰もがWikipediaにアクセスし、自由な知識を共有できるように取り組んでいます。この訴訟は現在進行中であり、詳細な情報を共有できるようになり次第ページは更新されます」というメッセージが表示されています。

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もともとAsian News International vs. Wikimedia Foundationのページで公開されていた内容は、ウェブページのスナップショットを保存するアーカイブ「archive.today」のページで確認できます。
Asian News International vs. Wikimedia Foundation - Wikipedia
https://archive.md/XIxZv

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また、Asian News Internationalの英語版Wikipediaのページにも一通り訴訟についての流れが記載されているほか、Asian News International vs. Wikimedia Foundationのページが公開停止になったことも記されています。
インドの日刊紙であるThe Hinduの問い合わせに対し、ウィキメディア財団の広報担当者はコメントを拒否しました。The Hinduは、「2012年以降にウィキメディア財団が公表した透明性報告書によると、Wikipediaの歴史上で削除や改変の要請に応じたのは、ドイツ・フランス・ウクライナからの要請を受けたわずか6件未満に過ぎないとのこと。これらの事例において個々のページが完全に削除されたのか、特定のコンテンツのみが削除されたのかは不明です」と述べました。

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