PerplexityがNews Corpからの著作権訴訟について反論を掲載、「対話の無視」は誤りで即日中に返信したものの無視されたと主張
2024年10月22日にウォール・ストリート・ジャーナルやダウ・ジョーンズなどの親会社であるNews Corpが、AI検索サービスのPerplexityを相手に著作権訴訟を起こしました一方のPerplexityは、2024年10月24日に自社ブログで反論記事を公開して訴訟の不当性をアピールしています。
About the Dow Jones lawsuit
https://www.perplexity.ai/ja/hub/blog/about-the-dow-jones-lawsuit
AIを用いた検索サービスのPerplexityは、インターネット上のニュース生地やブログ記事の情報をもとに検索語句に対する回答を生成してくれることが特徴です。一方で、Perplexityは「インターネット上のコンテンツをもとに回答を生成する」という機能を有していることから、たびたび著作権上の問題に直面しており、法的問題を解決するために広告収益分配プログラムを立ち上げるなどの施策を進めていました。しかし、大手日刊紙のニューヨーク・タイムズが2024年10月にPerplexityでのコンテンツの使用停止通告を出すなど、Perplexityに対する風当たりは強くなっていました。
ニューヨーク・タイムズがAIスタートアップのPerplexityにコンテンツへのアクセスと利用を停止することを要求 - GIGAZINE
さらに「ウォール・ストリート・ジャーナル」「ダウ・ジョーンズ」「ニューヨーク・ポスト」といったメディアの親会社であるNews Corpが、2024年10月21日にPerplexityを著作権違反で訴えました。訴状の中でNews CorpはPerplexityによるコンテンツの無断使用やAIの幻覚(ハルシネーション)によって生成された誤情報が表示されることなどを追及しています。
ウォール・ストリート・ジャーナルの親会社がAI検索サービス「Perplexity」を著作権違反で訴える、Perplexityはライセンス契約の提案を無視 - GIGAZINE
これに対しPerplexityは「驚くとともにがっかりしました」との声明を発表。ブログの中でPerplexityは「メディア企業によるPerplexityへの訴訟は数十件に上りますが、そのどれもが『この技術は存在してはならない』というテーマで共通しています。Perplexityに対して訴訟を提起するメディア企業は、公の事実が企業によって専有される世界を望み、対価を支払わなければ公の事実に対して何もできない世界を望んでいるようです」と批判しました。
Perplexityは「Perplexityのようなツールは、人々が世界についての事実を学ぶための変革的な方法を提供できると信じています。Perplexityは、人々が他者によって生み出された知識を効率的かつ効果的に取得し、関与できる文化的エコシステムの健全な機能に不可欠です」と主張しています。
また、News Corpの訴訟に対し「訴状で主張されている事実は誤解を招くものです。News Corpが主張する『記事全文を回答として出力することがある』という例は、その資料の出どころを誤っています。また、具体的に引用された事例でさえも、何が起こったかについての説明が不十分です」と述べています。加えてPerplexityは、自社を訴えるメディア企業に対し「我々を提訴する企業の多くは、AIツールへの望ましくない行動で得られた結果をもとに劣悪な主張を展開しています。そして、『どのようにこの結果が得られたのか』といった追及があると、彼らはすぐにその例を取り下げ、『実際に裁判では使用しない』と宣言する傾向にあります。今回のNews Corpとの訴訟もそうなるでしょう」と述べ、News Corpが示した例が意図的に引き出されたものであると主張しています。
さらに、News Corpは「2024年7月にPerplexityに対して『正式なライセンス契約を締結することを提案する書簡』を送付したものの、Perplexityからの返答は得られなかった」と主張していますが、これに対しPerplexityは「この主張には虚偽が含まれています。書簡を受け取った当日に私たちはNews Corpに返答しました。しかし、News Corpは対話に応じず、訴訟を起こしました」と正反対の主張を展開しました。
反論記事の最後で、Perplexityは「私たちはメディア企業との協力のもと、顧客に革新的なツールを提供することに全精力を注いでいきます。AIを駆使した検索エンジンは決してなくなりません」と宣言しました。
10/25 15:00
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