Meta Quest 3SのフレネルレンズはQuest 2と100%互換性があると判明
2024年10月15日(金)に登場した「Meta Quest 3S」はQuest 3の廉価版モデルとなっており、光学部分はQuest 2をと同等といわれています。スマートフォンの修理や分解を行うiFixitが、Meta Quest 3Sを分解したムービーを公開しています。
Meta Quest 3S Teardown: We Found a Quest 2 Hiding Inside Our Quest 3S - YouTube
Meta’s Quest 3S Is Just a Revamped Quest 2, and It’s the Better for It - iFixit
https://www.ifixit.com/News/101990/metas-quest-3s-is-just-a-revamped-quest-2-and-its-the-better-for-it
iFixit’s Meta Quest 3S teardown reveals a Quest 2 ‘hiding inside’ - The Verge
https://www.theverge.com/2024/10/19/24274330/meta-quest-3s-teardown-quest-2-lenses-lcd-panel
iFixitによると、Quest 3Sで使われているフレネルレンズは、Quest 2で使用されているものと「100%互換性がある」とのこと。瞳孔間距離(IPD)の調整機構はレンズユニットを直接手で3段階に動かして調整するもので、この部分もQuest 2と同じ。
さらに、Quest 3では片目ごとに1つのディスプレイ、合計で2枚のディスプレイパネルを使っていましたが、Quest 3Sは両目で1枚のLCDディスプレイパネルを共有しています。
Quest 2(左)とQuest 3S(右)で使われているディスプレイパネルの画素を見比べるとこんな感じ。
Quest 3SのメインボードはQuest 3とほぼ同じ。搭載されているSoCはQuest 3と同じく、QualcommのSnapdragon XR2 Gen 2です。
また、Quest 3SはQuest 3に搭載されている深度センサーがオミットされていますが、深度マッピング用にIR(赤外線)センサーを2基使っていることが判明しました。これにより、Quest 3よりも暗い場所での深度マッピング精度が高くなっているとのこと。
さらに、Quest 2で使われていたIR近接センサーは汗の湿気にさらされるとショートしてしまう可能性があり、Metaは無料で交換品を提供するという対応に迫られました。こうした理由から、Quest 3SではIR近接センサーが排除されています。
光学装置をQuest 2のものに置き換え、高価な深度センサーをIRセンサーに置き換えたことで、Quest 3SはQuest 3の約6割ほどの価格に抑えることに成功しています。iFixitは「Quest 3Sは大人気のQuest 2をアップデートしたモデルということはまぎれもない事実です。そして、この観点から見ると、ハードウェアから価格帯まですべてが理にかなっていることがわかります」と述べています。
iFixitは「Quest 3SはVRエコシステムの中で一定の位置を占めていますが、Quest 2が時代遅れになるとはまだ思えません。光学性能に注目すると、Apple Vision Proや Quest 3のような最新かつ最高のパンケーキレンズ設計ではないかもしれませんが、フレネルレンズは2020年当時と同様に今日のVRテクノロジーに対応し、Quest 3SでもVR体験を楽しむことができます」とコメント。また、iFixitは「Quest 2の部品を使えることから、古いQuest 2の部品を再利用してQuest 3Sで使える点」も高く評価しています。
10/20 20:00
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