世界最大のドローンメーカーDJIが「中国軍関連企業」と不当に非難されたとしてアメリカ国防総省を提訴

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ドローンメーカーのDJIが、アメリカ国防総省から証拠なしに「中国軍事企業」と呼ばれたことで、不当に非難されてきたとして同組織を提訴しました。
DJI sues the US Department of Defense for labeling it a ‘Chinese Military Company’ - The Verge
https://www.theverge.com/2024/10/19/24274153/dji-sues-us-dod-chinese-military-company


現地時間の2024年10月18日(金)、世界最大のドローンメーカーであるDJIが、アメリカ国防総省の「中国軍関連組織リスト」から自社の除外を求めるべく、同組織を訴えました。DJIは中国政府傘下の軍事企業であるという事実はなく、リストに名前が載ることで不当な被害を受けたと主張しています。
2022年、アメリカ国防総省が作成した中国軍関連組織リストにDJIの名前が追加されて以来、「ビジネス取引を失い、国家安全保障上の脅威としてアメリカ政府から烙印を押され、複数の連邦政府機関との契約を禁止されており、同社の従業員は頻繁かつ広範囲にわたる烙印を押されたことで、公共の場で繰り返し嫌がらせや侮辱を受けている」とDJIは主張しました。
DJIは2024年9月に訴訟を起こす旨をアメリカ国防総省に通知していますが、それまで同組織から「中国軍関連組織リスト」に指定された理由について一切説明がなかったと主張しています。また、アメリカ国防総省から「中国軍関連組織リストに指定された理由」の説明があったものの、「そこには間違いが満ちていた」とDJIは主張しました。
DJIの提訴について報じたテクノロジーメディアのThe Vergeはアメリカ国防総省にコメントを要請していますが、記事作成時点では返答は得られていません。

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DJIは自社が中国政府に所有も管理もされていないと主張しており、さらに「新疆ウイグル自治区のウイグル族の扱いには一切関係がない」とも主張しています。DJIは単にさまざまな目的で利用される可能性のあるドローンを販売しているだけであり、コンサルティング会社やアメリカ政府機関(国防総省を含む)による独立監査により、DJIに安全保障上の脅威は見つかっていないことなどを、繰り返し主張しました。
DJIは訴状の中で、中国の国有投資ファンドである上海自由貿易区株式ファンドと成通ファンドが同社に少額の投資をしたことを認めているものの、上海自由貿易区株式ファンドは「DJIの株式の1%未満、議決権の0.1%未満」を保有するのみで、成通ファンドは2023年6月に投資を終了したと主張しています。また、DJIによると、DJIの創業者であり初期の従業員であるフランク・ワン氏、ヘンリー・ルー氏、スウィフト・シェ氏、リー・ゼシャン氏の4人が同社の99%を管理しており、株式の87%を所有しているそうです。

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なお、DJIと中国政府のつながりを証明する十分な証拠を持っているかどうかにかかわらず、両者がつながっている可能性があるという理由から、DJIとの取引を制限・精査している組織は複数あります。
アメリカ陸軍は2017年の時点で部隊がDJI製のドローンを使用することを禁止しており、2019年にはアメリカ内務省がスパイ行為の危険性を理由にDJI製ドローンの使用を禁止しました。
さらに、2020年にはアメリカ内務省がDJIをエンティティリストに追加し、「悪質な遺伝子収集・分析やハイテク監視を通じて中国国内での大規模な人権侵害を可能にした」としてアメリカ企業によるDJIへの技術輸出を禁止。
2021年にはアメリカ財務省がDJIを非SDN中国軍産複合体企業リストに追加しました。アメリカ財務省は非SDN中国軍産複合体企業リストにDJIを追加した理由を、「ウイグル族の監視を行うために中国政府にドローンを提供した」と記しており、その結果、DJIは深刻な人権侵害に加担したと示唆しています。
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これらの制限により、アメリカ政府機関はDJIのドローンの新規購入を制限されています。さらに、2024年10月にはウイグル強制労働防止法を理由にアメリカ税関がDJI製ドローンを輸入を阻止していると、DJIは主張しました。
連邦議会は現在、DJIの新しいドローンやその他の機器が国家安全保障上のリスクをもたらすとして、アメリカへの輸入を全面的に禁止することを検討しています。しかし、この禁止措置は現在凍結されたままです。また、議会がDJI製ドローンの販売を禁止しても、既存のDJI製ドローン所有者はこれを使用し続けることができると示唆されています。
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