ブラジル最高裁がX(旧Twitter)の復活を承認、司法への絶対服従と引き換えに
by Alpha Photo
ブラジル最高裁判所との確執によりX(旧Twitter)が2024年8月30日からブラジルでのサービスを停止していた一件では、競合SNSのBlueskyのユーザー数が急増したり、元Xユーザーの3割のメンタルヘルスが改善したことが報告されたりと、ブラジル人のインターネットユーザーの生活に少なくない変化が及びました。Xのブロックから1カ月以上が経過した2024年10月8日に、最高裁のアレシャンドレ・デ・モラエス判事がXのサービス再開を許可し、当局に活動再開に向けた措置を命じました。
STF autoriza retorno imediato do X e determina que Anatel adote providências para retomada do serviço
https://noticias.stf.jus.br/postsnoticias/stf-autoriza-o-retorno-imediato-do-x-e-determina-que-anatel-adote-providencias-para-a-retomada-do-servico/
Alexandre de Moraes manda desbloquear o X no Brasil
https://www.poder360.com.br/poder-justica/alexandre-de-moraes-manda-desbloquear-o-x-no-brasil/
Xがブラジルでのサービス停止を余儀なくされたのは、フェイクニュースを拡散したアカウントの削除を指示するブラジル最高裁の命令をXが無視したことです。ブラジルオフィスを閉鎖するなどして対抗するXに対し、最高裁判事のモラエス氏は巨額の罰金の支払いを命じました。
その後、Xは命令通りに問題のアカウントを削除し、2024年10月4日には総額2860万レアル(約7億7000万円)の罰金を納付しましたが、最高裁が指定した「ブラジル銀行」の口座ではなく「ブラジル連邦貯蓄銀行」の口座に振り込んでしまったため、サービスの再開が遅れていました。
Xがブラジルで科された罰金の振込先を間違えたためサービス復帰が遅れる - GIGAZINE
そして、Xは10月7日に最高裁が指定した口座に改めて罰金を支払ったことを報告。これを受けて、モラエス判事は10月8日に、Xのブロックを解除するよう命じるとともに、X再開に向けて必要な措置を講じるよう電気通信庁(Anatel)に命じました。
モラエス判事は、ブラジルの法律の完全な順守と「国家主権を尊重し、司法の決定を絶対的に順守すること」が活動再開の条件であると強調しています。
これによりXがブラジルでサービスを再開する道筋が開けましたが、ブラジル全土ですぐにXが使えるようになるとは限らないとのこと。
というのも、当局はインターネットプロバイダーにXへのアクセス制限を解除する権限を与える必要がありますが、ブラジルには固定回線およびモバイル回線を合わせてのべ2万社以上の通信事業者がいるからです。
Xの政府対応用アカウントは「Xはブラジルに戻れることを誇りに思います。何千万人ものブラジルの人々にとって欠かせないプラットフォームへのアクセスを提供することは、本件における私たちの最優先事項でした。私たちはこれからも、あらゆる場所で、法の枠内で言論の自由を守り続けます」とコメントしました。
X is proud to return to Brazil. Giving tens of millions of Brazilians access to our indispensable platform was paramount throughout this entire process. We will continue to defend freedom of speech, within the boundaries of the law, everywhere we operate.
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O…— Global Government Affairs (@GlobalAffairs) October 8, 2024
10/09 11:07
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