YouTubeが顔や声を含むクリエイターの肖像のコピーを防ぐAI検出ツールを発表、AIのトレーニングのためのスクレイピングも厳しく批判
YouTubeが2024年9月5日に、クリエイターが自身の顔や声などの肖像がコピーされてほかの動画で使用されるのを防ぐためのAI検出ツールを発表しました。
New tools to protect creators and artists - YouTube Blog
https://blog.youtube/news-and-events/responsible-ai-tools/
YouTube is developing AI detection tools for music and faces, plus creator controls for AI training | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/09/05/youtube-is-developing-ai-detection-tools-for-music-and-faces-plus-creator-controls-for-ai-training/
Is that song real? YouTube's new tech will catch it if it's not - Android Authority
https://www.androidauthority.com/youtube-ai-tech-3478894/
YouTubeによると、同社はYouTubeの自動コンテンツ識別システムであるContent IDを使用して、クリエイターの歌声を基にAIが生成したコンテンツを自動的に検出して管理できるようにする合成歌声識別技術を開発したとのこと。YouTubeはこの機能について「パートナーと協力して改良に取り組んでおり、2025年初頭にパイロットプログラムを実施する予定です」と語っています。また、クリエイターの同意なしに生成されたディープフェイクコンテンツを検出して管理するテクノロジーを開発中であることを明かしています。
Content IDの導入により、YouTubeでは毎年数十億件もの申し立てを処理しつつ、アーティストやクリエイターの作品の再利用を通じて数十億ドル(数千億円)規模の収益を生み出しているそうです。YouTubeは「これと同じレベルの保護とエンパワーメントをAIが興隆する現代にもたらすことに取り組んでいます」と述べました。
さらにYouTubeは、プラットフォーム上のコンテンツをスクレイピングすることは利用規約違反であることを指摘し、「スクレイピングはクリエイターの価値を損なうことになると認識しています」と批判しています。実際に2024年4月にはYouTubeのニール・モハンCEOが「AIのトレーニングに用いるためにYouTubeの動画をダウンロードすることはルール違反にあたります」と主張しています。
YouTubeのCEOが「AIのトレーニングへの利用はルール違反」「大事なのはクリエイターがYouTubeで成功すること」と語る - GIGAZINE
YouTubeは「YouTubeのコンテンツのスクレイピングを含む不正アクセスを検出してブロックするシステムへの継続的な投資を含め、利用規約が順守されるための措置を引き続き採用します」と語りました。一方で「ジェネレーティブAIの技術が進化を続ける中で、クリエイターはサードパーティー企業と協力してAIツールを開発したいと考える可能性があることは十分認識しています。そのため、YouTubeプラットフォーム上でのコンテンツの使用方法について、クリエイター側がサードパーティー企業に何らかの選択肢を与える新しい方法を開発しています。2024年後半には、さらに多くの情報がお届けできる予定です」と報告しました。
またYoutubeは「AIが進歩するにつれて、AIは人間の創造性に取って代わるのではなく、むしろ強化されるべきだと考えています。私たちはパートナーと協力して、将来の進歩がクリエイターの立場を高めることを確実にすることを約束するほか、AIに関する懸念に対処し、共に発展するためのガードレールの開発に取り組んでいきます」と宣言しています。
09/06 12:26
GIGAZINE