本物そっくりな「偽造AMD Ryzen 7 7800X3D」が中古市場に出回っているとの報告
2023年4月にリリースされたRyzen 7 7800X3Dは、価格や消費電力の割にパフォーマンスが高いことから、記事作成時点でもゲーマーの間で人気のCPUです。der8auerのハンドルネームで知られるテック系YouTuberのローマン・ハルトゥング氏が、Ryzen 7 7800X3Dを中古で購入したところ、精巧に作られた偽物だったと報告しました。
Beware! Fake Ryzen 7800X3D CPUs are being sold - YouTube
'Mindblowing' fake AMD Ryzen 7 7800X3D chip investigated — buyers beware | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/mindblowing-fake-amd-ryzen-7-7800x3d-chip-investigated-buyers-beware
ハルトゥング氏が偽のRyzen 7 7800X3Dをつかまされたのは、OLXというルーマニアのオンラインアウトレットです。価格は300ユーロ(約4万8000円)で、相場より100ユーロ(約1万6000円)ほどお買い得な掘り出し物だと、買った時は思っていたとのこと。
ところが、ハルトゥング氏が到着したCPUをマザーボードにセットしても、うんともすんともいいませんでした。そこで、マルチメーターにつないでチェックしたところ、チップが完全に死んでいるのが判明したとのことです。
実は、ハルトゥング氏は現物が到着する前から怪しいと感じるポイントをいくつか発見していました。例えば、商品ページに掲載されていた写真の基板の色味が本物より青みがかっていて緑色が弱い点です。ただし、これは写真を撮った時の問題である可能性もあったため、実物を見ない限り見抜くのは困難でした。
分解済みの本物(左)と見比べると、基板の色の違いがわかります。また、本物はコンデンサが保護樹脂で覆われていますが、偽物はむき出しになっているのも見て取れます。
CPUをマザーボードにセットする際にも、違和感がありました。
というのも、本物の基板は厚さが1.308mmなのに対し、偽物は0.964mmしかないため、ソケットにぴったりはまらなかったからです。
本物と偽物の写真を撮って重ね合わせることで、金属製のヒートスプレッダーの形状や刻印に微妙な違いがあることも判明しました。
極めつけに、ヒートスプレッダーを取り外すとそこには何もありませんでした。
ヒートスプレッダーの裏には、用途がわからない穴があいています。ハルトゥング氏の予想によると、これはメッキ処理のためのネジ穴ではないかとのこと。
外箱が本物そっくりで、ヒートスプレッダーなどの部品もかなり精巧に作られていることから、ハルトゥング氏はこの偽造チップを「プロの犯行」と推測しています。
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