AmazonがAIロボティクス企業・Covariantの創業者とスタッフ25%を雇用しロボット基盤モデルの非独占ライセンス契約を締結


現地時間の2024年8月30日、AmazonがAIロボティクス企業のCovariantと新しい商業契約を結んだことを発表しました。この契約に伴い、Covariantの創業者とスタッフ25%はAmazonに雇用されることとなります。
Amazon hires from AI robotics startup Covariant, licenses technology
https://www.aboutamazon.com/news/company-news/amazon-covariant-ai-robots


Amazon hires Covariant founders, inks AI licensing deal
https://www.geekwire.com/2024/amazon-hires-covariant-founders-inks-licensing-deal-with-robotics-ai-startup-in-latest-reverse-acquihire-deal/
Amazon hires the founders of AI robotics startup Covariant | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/08/31/amazon-hires-the-founders-of-robotics-ai-startup-covariant/
Amazon acqui-hires Covariant for foundational robotics models and key AI talent
https://the-decoder.com/amazon-acqui-hires-covariant-for-foundational-robotics-models-and-key-ai-talent/
世界最大の産業用ロボット群を開発・導入してきたAmazonは、過去数十年間にわたって機械学習モデルの使用を開拓しながらサプライチェーン・物流・倉庫の自動化におけるイノベーションを推進してきました。Amazonが開発するAIテクノロジーとAWSインフラストラクチャーは、数十万台のモバイルロボット・ロボットアーム・その他自動化システムを運用しており、毎年数十億件もの顧客注文を配送するAmazon従業員をサポートしています。
Amazonの産業用ロボット群の代表例である「Proteus」や「Sequoia」は、すべてAIを利用することで自身が動作する環境を理解し、運用チームと連携してタスクを実行しています。「Sparrow」の場合、物をつかんだりハンドリングしたりしながら移動できるロボット「Digit」と組み合わせることで、在庫の特定を最大75%、注文処理を最大25%高速化することに成功しました。
Amazonが自社倉庫に新ロボットの「Sequoia」と「Digit」を導入し在庫の特定を最大75%・注文処理を最大25%高速化することに成功 - GIGAZINE


Amazonは産業用ロボット群を導入することで、10万人の労働者をロボットに置き換えることに成功したと報じられています。
世界第2位の雇用者であるAmazonが75万台のロボットで10万人の人間を置換、「AIによる労働の変化の縮図」との指摘 - GIGAZINE


Amazonのロボットは「在庫の移動」「商品の仕分け」「顧客注文の識別」など、商品の配送に関わるさまざまな工程に関与しています。これらのロボットが重労働や反復作業を引き受けてくれるため、従業員にとって業務がより安全で効率的なものになるそうです。Amazonは長年にわたって蓄積したロボットに関する洞察を活用し、AIモデルを構築し、システムの安全性と適応性をさらに高める基礎研究に取り組んでいます。
この基礎研究がAmazon以外にもメリットをもたらすことができるように、AmazonはAIロボティクス企業のCovariantと新しい商業契約を結んだことを発表しました。Covariantはロボットが周囲環境を見て判断し行動できるようにするための高度なAIモデルを構築しており、さまざまな倉庫自動化タスクをサポートしています。AmazonはCovariantを高く評価しているポイントとして、「倉庫自動化における最も困難な課題を解決する技術を開発するための反復的で顧客中心のアプローチと、エンドツーエンドのプロセスに対する深い理解」を挙げました。
新しい商業契約により、AmazonはCovariantのロボット基盤モデルの非独占的ライセンスを取得することになります。Covariantのロボット基盤モデルはロボットシステムの学習方法を一般化する新しい方法を推進し、自動化を使用して業務をより安全にし、顧客への提供を向上させるための動的な機会を提供します。この取り組みの一環として、AmazonはAIおよびロボットチームを拡大し、世界クラスの人材を活用して最新の自動化プロセスを推進すると説明しました。

AmazonがAIロボティクス企業・Covariantの創業者とスタッフ25%を雇用しロボット基盤モデルの非独占ライセンス契約を締結 - 画像


さらに、Covariantの全従業員の約4分の1に相当する研究科学者とエンジニアのグループと、同社の共同創設者であるPieter Abbeel氏、Peter Chen氏、Rocky Duan氏の3人をAmazonのフルフィルメントテクノロジー&ロボティクスチームに加わえると発表しました。これらのエンジニアグループはAmazonの業務内でCovariantのテクノロジー開発と実装を推進し、革新的なAIソリューションの開発を継続することとなります。

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