クチコミサイト「Yelp」がGoogleを提訴、Googleがローカル検索市場で不当な優位性を得たとして
口コミサービスを展開するYelpが、Googleに対する反トラスト(独占禁止)法訴訟をサンフランシスコ連邦地方裁判所に起こしたと発表しました。Yelpは、Googleがユーザーに最高の情報を提供するという自らの使命を放棄し、検索における独占を違法に悪用し、ローカル検索およびローカル検索広告市場を支配し、検索結果の品質を低下させ、競合他社を格下げして市場支配力を拡大していると主張しています。
[Names of attorneys] - Yelp-v.-Google-Complaint-August-28-2024.pdf
(PDFファイル)https://trust.yelp.com/wp-content/uploads/2024/08/Yelp-v.-Google-Complaint-August-28-2024.pdf
Fighting for fair competition, consumer choice, and a more helpful Google search experience | Yelp - Official Blog
https://blog.yelp.com/news/yelp-v-google/
Google Sued by Yelp in Antitrust Case - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/08/28/technology/google-yelp-lawsuit.html
YelpはGoogleを長年批判しており、Googleが検索結果で他社をどのように扱っているかについて頻繁に不満を訴えてきました。
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by C.E. Kent
YelpがGoogleの提訴に踏み切ったのは今回が初めてです。Yelpの共同創設者であるジェレミー・ストップルマン氏は日刊紙のThe New York Timesに対して、「これは重大な転換点です。今こそ対話の時であり、Googleが過去の過ちを正すべき時です」と語っています。
Yelpは「Googleは、ブラウザやデバイス、携帯電話会社と数十億ドル(数千億円)規模の独占契約を結んで、一般検索の独占を違法に維持していたことが最近判明しましたが、この独占により、Googleは消費者が目にするものや、どこで目にするかをコントロール可能になっています。この優位性により、Googleはローカル検索やローカル検索広告などの隣接市場に対して大きな力を持つようになりました」と語っています。
加えて、Yelpは「Googleが公正な競争を避けて自社のコンテンツを定性的なランキングアルゴリズムにかけないのは、ローカル検索の品質で勝てないことを自覚しているからです」と指摘し、Googleは数字を水増しして信頼性を偽装していると述べました。
また、Yelpは司法省がGoogleを独占禁止法違反で訴えていた裁判に言及。コロンビア特別区連邦地方裁判所のアミット・P・メータ判事が「Googleの行為は一般検索サービスおよび一般検索テキスト広告の独占にあたる」という判決を下したことに触れ、Googleの独占行為は違法行為であると認識されていると主張しています。
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さらに、Googleの長年にわたる違法行為はアメリカのみならずEUでも認識されており、欧州委員会からはデジタル市場法の独占禁止規則を順守していない疑いがあるとして、調査対象になっていると指摘しています。
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Yelpの訴えに対し、Googleの広報担当者は声明で「Yelpの主張は目新しいものではありません。Yelpの主張は連邦取引委員会によって却下されており、最近ではコロンビア特別区地方裁判所にも却下されています。Yelpが言及している判決について、私たちは控訴しています。Yelpの根拠のない主張に対して、Googleは断固として反論します」と述べました。
08/29 17:00
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