OpenAI・Amazon・Microsoftなどの大手IT企業が「AI生成コンテンツへのラベル付与を義務付ける法案」に賛同


AI技術が急速に発展する中、世界各地でAIに関連する法律の整備が進んでいます。カリフォルニア州でも複数のAI規制法案が議論されているのですが、このうち「生成AIで生成したコンテンツにラベルを付与することを義務付ける法案」にOpenAIやMicrosoftが参加するロビー団体が賛同する意向を示しました。
Bill Text - AB-3211 California Digital Content Provenance Standards.
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=202320240AB3211
OpenAI supports California AI bill requiring 'watermarking' of synthetic content | Reuters
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/openai-supports-california-ai-bill-requiring-watermarking-synthetic-content-2024-08-26/
OpenAI, Adobe and Microsoft support California bill requiring watermarks on AI content | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/08/26/openai-adobe-microsoft-support-california-bill-requiring-watermarks-on-ai-content/
カリフォルニア州で審議されている法案「AB 3211」は、生成AIの開発者に対して「生成AIが出力したコンテンツにラベルを付与すること」を義務付けるものです。法案が審議され始めた2024年3月21日のバージョンには「ラベル付与システムに関する脆弱(ぜいじゃく)性を発見した場合、24時間以内にカリフォルニア州技術局に通知することを義務付ける」という条項が含まれていました。

2024年3月21日版のAB 3211


OpenAIやMicrosoft、Adobe、Amazon Web Servicesなどが参加するロビー団体「BSA」はAB 3211の「脆弱性を24時間以内に通知する」という条項について緩和を求める(PDF)公開書簡を2024年4月9日に送付。その後の審議の結果、2024年6月10日のバージョンでは通知までの猶予が96時間に緩和されました。

2024年6月10日版のAB 3211


さらに、2024年8月22日のバージョンでは脆弱性通知に関する条項そのものが削除されました。

2024年8月22日版のAB 3211


これらの変更を踏まえて、BSAはAB 3211の支持へ方針を転換したとのこと。ロイターによるとOpenAIの最高戦略責任者を務めるジェイソン・クォン氏はAB 3211の立案者に対して送付した書簡の中で「新しい技術と規範は、人々がオンライン空間で見つけたコンテンツの出自を知ることや、人間が作成したコンテンツとAIが作成したコンテンツを見分けることに役立つ」と述べて法案への賛同を示したそうです。
AB 3211はカリフォルニア州議会を62対0の賛成多数で通過しており、今後は州議会上院で審議が進む予定です。
なお、カリフォルニア州ではAI開発者に対して安全性テストの実施を義務付ける法案「SB 1047」も議論されています。OpenAIはSB 1047については否定的な考えを崩しておらず、クォン氏が「AIはカリフォルニア州の経済力を高めている。SB 1047はカリフォルニア州の経済成長を脅かし、イノベーションを鈍化させ、世界有数のエンジニアや起業家がカリフォルニア州を離れることにつながる」とする書簡を送付したことが報じられています。
一方で、かねてからカリフォルニア州への不満を吐露しているイーロン・マスク氏はSB 1047に好意的で、2024年8月27日には「あらゆることを考慮するとSB 1047は可決すべきである」「私は20年以上にわたってAI規制論を提唱してきた」と述べています。
This is a tough call and will make some people upset, but, all things considered, I think California should probably pass the SB 1047 AI safety bill.
For over 20 years, I have been an advocate for AI regulation, just as we regulate any product/technology that is a potential risk…— Elon Musk (@elonmusk) August 26, 2024

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