XがEUのユーザーデータを使用して同意なくGrokをトレーニングしたとして告訴される

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イーロン・マスク氏率いるAI企業・xAIが手がけるAI「Grok」がX(Twitter)のユーザーデータを勝手にトレーニングに利用したとして、アイルランドのデータ保護委員会がXを告訴し、データの利用停止命令を発効するよう求めたことが明らかになりました。
X accused of using EU user data to train Grok without consent
https://www.engadget.com/ai/x-accused-of-using-eu-user-data-to-train-grok-without-consent-133042114.html
X Refutes Claims That It Illegally Used EU User Data To Train AI | Social Media Today
https://www.socialmediatoday.com/news/x-refutes-claims-that-it-illegally-used-eu-user-data-to-train-its-grok-ai-s/723536/
マスク氏が所有するXは2023年8月31日に利用規約を改定し、「ユーザーデータをAIのトレーニングに使用する可能性がある」と明記しました。その後、マスク氏が立ち上げたAIスタートアップのxAIがGrokを発表したことから、このGrokにXのデータが利用されることが明確になりました。
XのデータをAI開発のトレーニングに使うことが規約で明言されイーロン・マスクもコメント - GIGAZINE

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2024年7月27日には、ユーザーが投稿内容の学習を拒否するための設定が追加されました。Xは少なくとも5月から、データ利用を拒否する方法を公開していましたが、学習をデフォルトでオンにしていることは明確化していませんでした。
アイルランドのデータ保護委員会は、GrokがXのユーザーデータをトレーニングするにあたり、EUの法律に違反した可能性があるとして、訴訟手続きを開始したとのことです。
データ保護委員会は「この件に関して数カ月間にわたってXと協議していましたが、デフォルトで学習しているなどの動きについては把握していませんでした。Xに連絡し、返答を待っています」と述べました。データ保護委員会は、ユーザーデータの無許可の使用はEUの一般データ保護規則(GDPR)に基づく義務に違反しており、また拒否設定を迅速に提供しなかったことも同規則に違反していると語りました。
一方で、Xは「2023年後半からデータ保護委員会らと積極的に協議しており、公開データの使用について完全な透明性を保ってきました。Xはデータをどう使用するかについてユーザーに直接伝えています。多くの企業がプライバシーを考慮することなく公開情報を使っている一方で、私たちはユーザー自身がデータの使用範囲を制御できるよう努力しています。データ保護委員会が求めた命令は不当です」と反論しました。
The order that the Irish DPC has sought is unwarranted, overbroad and singles out X without any justification. This is deeply troubling. 
The order applies not just to Grok but to any AI model that X uses, potentially impacting our work to keep the platform safe and possibly the…— Global Government Affairs (@GlobalAffairs) August 6, 2024

Xのアイルランド部門であるTwitter Internationalは、データ保護委員会のデータ処理停止要求およびGrokの次期バージョンの延期要請を拒否したと報じられています。データ保護委員会がトレーニングの一時停止または完全禁止を求めることができるよう提訴に踏み切ったのはこのためだとの指摘があります。裁判所がGDPR規則違反を認めた場合、Xは全世界の年間売上高の最大4%の罰金を科される可能性があるとのことです。

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