X(旧Twitter)のチャットAI「Grok」が虚偽の選挙情報を拡散しているとして州務長官らが修正を要請
実業家のイーロン・マスク氏のAIスタートアップ「xAI」が開発し、2023年12月からX(旧Twitter)で提供されているチャットAI「Grok」が選挙に関する誤った情報をユーザーに提供したとして、ミシガン州、ミネソタ州、ニューメキシコ州、ペンシルベニア州、ワシントン州の州務長官がマスク氏に対し、選挙に関する正確な情報をGrokに学習させるよう求めています。
Secretaries Letter to X - 080524-secretaries-letter-to-x.pdf
(PDFファイル)https://www.sos.state.mn.us/media/6077/080524-secretaries-letter-to-x.pdf
Secretaries of state urge Musk to fix AI chatbot spreading false election info - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/politics/2024/08/04/secretaries-state-urge-musk-fix-ai-chatbot-spreading-false-election-info/
States Urge Musk to Tackle Election Misinformation on Social Media Platform X
https://www.cryptopolitan.com/states-musk-tackle-election-misinformation/
Secretaries of state call on Musk to fix chatbot over election misinformation | Elon Musk | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/article/2024/aug/05/elon-musk-harris-grok-misinformation
2024年アメリカ大統領選挙では、現職のジョー・バイデン大統領が選挙戦からの撤退を発表しており、カマラ・ハリス副大統領がバイデン大統領の後継として民主党の候補者に指名されることが有力視されています。しかしGrokは「アラバマ州、インディアナ州、ミシガン州、ミネソタ州、ニューメキシコ州、オハイオ州、ペンシルベニア州、テキサス州、ワシントン州では2024年アメリカ大統領選挙の投票期限が過ぎている」とユーザーに伝えています。
また、海外メディアのThe Guardianによると、Grokはユーザーに対し「そのため、もしもこれらの州で大統領選に出馬するつもりなら、出遅れていないかどうか確認した方がいいかもしれません。たとえ出馬できなかったとしても、2028年にも大統領選挙は開催されます」と伝えたとのこと。
なお、Grokがリストアップしたアラバマ州、インディアナ州、ミシガン州、ミネソタ州、ニューメキシコ州、オハイオ州、ペンシルベニア州、テキサス州、ワシントン州での投票期限は記事作成時点で迎えていません。そのため、候補者の変更は引き続き可能で、ハリス氏は滞りなく大統領選に出馬することが可能です。
今回のGrokによる誤報を受けて、ミシガン州のジョスリン・ベンソン州務長官やミネソタ州のスティーブ・サイモン州務長官、ニューメキシコ州のマギー・オリバー州務長官、ペンシルベニア州のアル・シュミット州務長官、ワシントン州のサイモン・ホッブズ州務長官は共同でマスク氏に対し、大統領選挙に関する正確な情報をGrokに更新するよう求めています。
ミネソタ州のサイモン州務長官は「この誤報は何百万人ものXユーザーに届いてしまいました。この情報はユーザー間で何度も共有、拡散されています」と批判しています。また、州務長官らは「有権者が正しい情報を入手できるように、Grokに対しただちに変更を加えなければなりません」と述べ、「ChatGPTを運営するOpenAIと同様に、選挙についてユーザーから尋ねられた際には、アメリカの選挙情報を提供するウェブサイト『Can I Vote』に誘導すべきです」と主張しました。
なお、今回の州務長官からの書簡に対し、Xはコメントしていません。
08/06 12:09
GIGAZINE