Samsungの第4世代高帯域幅メモリの「HBM3」チップがNVIDIAのテストに合格、中国市場向けの「H20」に搭載予定


Samsungが製造した第4世代High Bandwidth Memory(HBM)のDRAM「HBM3」がNVIDIAのテストをクリアしたことが報じられています。関係者によると、早ければ2024年8月にもNVIDIAの中国市場向けAIチップ「H20」への導入が開始される可能性があるとのことです。
Exclusive: Nvidia clears Samsung's HBM3 chips for use in China-market processor | Reuters
https://www.reuters.com/technology/nvidia-clears-samsungs-hbm3-chips-use-china-market-processor-sources-say-2024-07-23/


HBMは2013年に開発されたDRAM規格の一種で、チップを垂直に積み重ねることで省スペース化と省電力化を実現しており、生成AIが勃興する近年では、高性能GPUの需要急増に伴ってHBMの需要も拡大しています。そのため、AI向けGPU市場においてトップシェアを占めるNVIDIAのテストに合格することは、メモリメーカーにとって非常に重要なこととなっています。


これまで、Samsungは自社のDRAM「HBM3」と「HBM3E」をNVIDIAに持ち込んで、AIプロセッサでの使用に堪えうるかについてのテストを行ってきました。しかし、2024年5月には、SamsungのDRAMが熱や消費電力の問題から不合格という判定を受けたことが報じられていました。なお、当時Samsungは「当社の製品が、熱や消費電力が原因でつまずいているという主張は事実ではありません。テストは計画の通り順調に進んでいます」と述べ、報道を否定していました。
Samsungの広帯域幅メモリー「HBM3」と「HBM3E」が熱と消費電力の問題でAIプロセッサ用のNVIDIAのテストに不合格 - GIGAZINE

Samsungの第4世代高帯域幅メモリの「HBM3」チップがNVIDIAのテストに合格、中国市場向けの「H20」に搭載予定 - 画像


そして今回、SamsungのHBM3がNVIDIAのテストに合格したことをロイターが報じました。一方で、SamsungのHBM3Eは依然としてNVIDIAの基準を満たしておらず、テストは継続中と話している関係者もいるとのことです。
なお、HBM3はNVIDIAのテストに合格したものの、NVIDIAが販売するフラッグシップAIチップに搭載されることはなく、アメリカの輸出規制を回避するために性能を抑えた中国市場向けのGPUであるH20に搭載されるそうです。関係者によると、H20へのHBM3の搭載は早ければ2024年8月から開始されるとのことです。


今回の報道に関して、NVIDIAとSamsungはコメントしていません。

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