スマホのロック解除で法執行機関と協力する「Cellebrite」はiOS 17.4以降を実行するiPhoneのロックを解除できないと判明
サン電子の子会社であるイスラエル企業のCellebriteは、スマートフォンのロックを解除して中のデータを抽出するデジタルフォレンジックで世界各国の法執行機関と協力しています。ところが、海外メディアの404 Mediaが入手したCellebriteの文書から、CellebriteはiOS 17.4以降を実行するほとんどのiPhoneをロック解除できないことが判明しました。
Leaked Docs Show What Phones Cellebrite Can (and Can’t) Unlock
https://www.404media.co/leaked-docs-show-what-phones-cellebrite-can-and-cant-unlock/
Cellebrite Unable to Unlock iPhones on iOS 17.4 or Later, Leak Reveals - MacRumors
https://www.macrumors.com/2024/07/18/cellebrite-unable-to-unlock-iphones-on-ios-17-4/
Cellebrite can't crack iPhones running iOS 17.4 or later
https://appleinsider.com/articles/24/07/18/cellebrite-cant-crack-iphones-running-ios-174-or-later
Cellebriteが得意としているのはスマートフォンを対象としたクラッキングで、ロックがかけられた端末からデータを抽出するサービスを提供しています。犯罪捜査では容疑者のスマートフォンから取り出したデータが重要な手がかりにつながる可能性があるため、Cellebriteは法執行機関とのつながりが深いとされています。
そんなCellebriteの知名度が高まったきっかけは、2015年にアメリカで起きた銃乱射事件の容疑者が持っていたiPhoneのロック解除を巡る騒動で、「FBIはCellebriteに依頼してロックを解除した」とのうわさが流れたことでした。実際にCellebriteが容疑者のスマートフォンのロックを解除したかどうかは不明ですが、この件で多くの一般人にもその名が知れ渡りました。
Cellebriteはスマートフォンのロックを解除する方法を秘密にしていますが、404 MediaはCellebriteの顧客から「Cellebriteがロックを解除できるiPhoneのリスト」を含む文書を入手したとのこと。
404 Mediaが公開した「Cellebriteがロックを解除できるiPhoneのリスト」が以下。iOS 17.1から17.3.1を搭載しているiPhone 12以降のシリーズは「Coming soon(近日公開)」となっており、iOS 17.4以降を搭載したiPhoneはいずれも「In Research(研究中)」となっており、これらのiPhoneはCellebriteでもロック解除できないことが示されています。
記事作成時点ではすでに状況が変わっている可能性がありますが、このリストのままであればCellebriteは全iPhoneのうち77%、過去4年間に発売されたiPhoneの87%をロック解除できないことになります。
一方で、404 Mediaが入手した別の文書によると、CellebriteはほとんどのAndroidスマートフォンのロックを解除できるそうです。
なお、2024年7月に発生したドナルド・トランプ氏銃撃事件の捜査でも、FBIは容疑者のスマートフォンにかけられたロックを解除するためにCellebriteと協力していることが報じられています。
FBI、トランプ氏銃撃犯の携帯電話解析に未発表技術使用-関係者 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-19/SGUBKZT0G1KW00
07/19 16:00
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