Netflixがアメリカでも最安の広告なしプランの廃止をスタート、ユーザーは自動で「広告つきの最安プラン」に移行させられる

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Netflixは複数の有料プランを用意しており、海外では広告なしの「ベーシックプラン」と呼ばれるNetflixを720p(HD)解像度で視聴できるプラン(デバイス1台のみ)が存在します。Netflixは2024年1月にベーシックプランの提供を中止し、7月にはイギリスとカナダでも同プランを廃止しました。Netflixはこの動きを加速させており、アメリカでもベーシックプラン加入者を「安価な広告つきプラン」に移行しようとしていることが明らかになっています。
Netflix is kicking US subscribers off its cheapest ad-free plan soon | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2024/07/netflix-is-kicking-us-subscribers-off-its-cheapest-ad-free-plan-soon/


Netflixは株主宛ての書簡の中で、アメリカおよびフランスで「広告なしでNetflixを視聴できる」というベーシックプランを段階的に廃止していくことを発表しました。これにより、アメリカで提供されている広告なしプランの中で最安のプランは「スタンダードプラン」となります。スタンダードプランは、最大2台のデバイスで1080p(フルHD)解像度でNetflixを広告なしで視聴可能。価格は月額15.49ドル(約2400円)です。
Netflixによると、月額7ドル(約1100円)で利用可能なベーシックプランは、新規加入者の45%以上を占める人気プランになっているとのこと。Netflixはベーシックプランを廃止することで、より多くのユーザーが広告つきプランを利用することとなり、広告の再生数が増え、同社の収益が増加すると考えている模様。
実際、Netflixがベーシックプランを廃止してから、広告つきプランの加入者数は着々と増加しています。
Netflix広告付きプランの月間アクティブユーザー数が1年で8倍に - GIGAZINE


Netflixは今後、広告戦略が同社にとってますます重要なものになっていくと考えており、「2025年には広告つきプランを提供している国の広告主にとって重要な、広告つきプランの加入者数で重要なマイルストーンを達成し、2026年以降も広告つきプラン加入者をさらに増やせるよう強力な基盤を構築していきます」とも語っています。
日本では2023年10月にベーシックプランの新規受付が停止され、値上げが実施されました。
Netflixがまた値上げ、ベーシックプランの新規受付も間もなく停止 - GIGAZINE


なお、値上げが止まらない映像ストリーミングサービスはNetflixだけではありません。業界全体で繰り返し値上げが実施されおり、その根本的な原因は以下の記事で説明されています。
ストリーミングサービスのサブスクはなぜ値上げが止まらないのか? - GIGAZINE


競合他社はストリーミングサービスと別サービスを組み合わせたお得なプランを提供することで、他者との差別化を図っています。しかし、こういったサービスが多いせいでストリーミングサービスは高い解約率に直面していると、テクノロジーメディアのArs Technicaは指摘。
一方で、Netflixはケーブルテレビやモバイルプロバイダー、デバイスメーカーと提携してNetflixと他サービスを合わせ売りすることはあるものの、Disney+のような複数のストリーミングサービスをセットで売るようなことは「ない」と明言しました。Netflixは「すでにNetflixが頼りになる目的地であり、他のストリーミングサービスとセット売りすることで得られる利益は限られている」と主張しました。
なお、Netflixは2024年第2四半期に800万人の新規加入者を記録したと発表しています。Netflixによると、記事作成時点での有料プラン加入者数は前年同期比で16.5%増の2億7800万人で、映像ストリーミングサービス業界では最も多くの加入者数を誇ります。ただし、2024年第2四半期には新規加入者数の伸びが鈍化したという指摘もあります。

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