CUDAのコードを全く変更せずにAMD製GPU向けにコンパイルできるツールキット「SCALE」が登場

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イギリスのスタートアップ「Spectral Compute」社がCUDAのプログラムを全く変更することなくAMD製GPUで実行できるようにコンパイルするツールキット「SCALE」を開発したと発表しました。
SCALE GPGPU Programming Language
https://scale-lang.com/
Announcing the SCALE BETA
https://scale-lang.com/posts/2024-07-12-release-announcement

CUDAのコードを全く変更せずにAMD製GPU向けにコンパイルできるツールキット「SCALE」が登場 - 画像


Spectral ComputeのCEOであるマイケル・ソンダーガード氏は「一度コードを記述すればあらゆるハードウェアプラットフォームでビルド・実行できるべき」「CPUでは長年実現されてきたのに、なぜGPUでは実現できないのか?」とSCALEの開発に至った経緯を説明。
SCALEはNVIDIAのCUDAツールキットに似た動作をしますが、CUDAコードをコンパイルする際にNVIDIA以外のGPU向けのバイナリを生成する機能を備えています。SCALEを使用すると一般的なCUDAプログラムと他のハードウェアベンダー間の互換性のギャップを埋め、一つのコードをさまざまなハードウェアプラットフォームで使用できるようになるというわけです。
CUDAコードにはコンパイル時の中間コードであるPTXをインラインで埋め込んでいたり、Nvidia CUDAコンパイラ独自の動作を期待していたりするものが存在していますが、SCALEではこれらの点も含めてCUDAとのソース互換性を実現することを目指しているとのこと。

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SCALEはオープンソースではないものの、コピーライトの表記などいくつかの条件に従うことで無料で使用可能です。なお、記事作成時点ではベータ版のみが公開されています。
インストール方法や使い方についてはドキュメントに記載されているほか、SCALEの機能をデモンストレーションする例も用意されているので気になる人は確認してみてください。

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