自作スマートTVを「テレビの背面にノートPCを固定する」という力技で実現


インターネット接続機能を備えたスマートTVでは、YouTubeなどの動画ストリーミングサービスを利用したり写真アルバムを閲覧したりできます。ソフトウェアエンジニアのCarl氏は「ノートPCをテレビの裏側に固定する」という力技でスマートTVの自作に成功しました。
Creating My Own Linux-Based Smart TV
https://carltheperson.com/posts/earlgreytv/
Carl氏が自作したスマートTVが以下。画面上にはYouTubeやNetflixなどの動画ストリーミングサービスのアイコンのほかに、ニュース共有サイトのHacker Newsにアクセスできるアイコンなどが並んでいます。テレビ本体はSamsung製のスマートTVですが、内蔵のスマートTV機能は使っておらず、Carl氏が自作したスマートTVシステムの画面が表示されています。なお、Samsung製のスマートTVを購入したのは「ブラックフライデーのセールで安く売っていたから」で、特にこだわりがあったわけではないそうです。


スマートTVシステムの正体が以下。テレビの背面にノートPCを固定し、ノートPCからテレビに画面を出力しているというわけです。ノートPCにはLinuxディストリビューションのDebianがインストールされており、ウィンドウマネージャーはタイル型ウィンドウマネージャーのSwayを採用。起動時にFirefoxを全画面表示するように設定し、スマートTVのホーム画面風にデザインしたローカルウェブページを開くことでスマートTVっぽい動作を実現しているというわけです。


なお、ノートPCは数年前にアールグレイティーをこぼしたことでキーボードが動作不能になっているとのこと。このため、スマートTVシステムは「EarlGreyTV」と名付けられています。
スマートTVの操作は、「WECHIP W3」というリモコンに似た形状のワイヤレスマウスを使って実行します。WECHIP W3はWiiリモコンのように本体を振ることでマウスポインタを操作できるデバイスで、裏面にはキーボードも搭載されています。


実際にWECHIP W3でスマートTVを操作する様子は以下のムービーの22秒頃から確認できます。
Showing my custom smart TV - EarlGreyTV - YouTube

HDMI-CECアダプタを使って「PCをサスペンドするとスマートTVの画面がオフになり、PCを起動するとスマートTVの画面もオンになる」という機能も実現しています。


また、iPhoneの「ショートカット」アプリで「閲覧中のウェブページのURLをスマートTVに送信する」というショートカットも作成。Carl氏はこのショートカットを簡易的なキャスト機能だと自慢しています。


なお、EarlGreyTVのソースコードや設定手順は以下のリンク先で公開されています。
GitHub - carltheperson/earlgreytv: The guide and source code for my custom smart TV
https://github.com/carltheperson/earlgreytv


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