NVIDIAは2024年に中国でH20チップを100万個販売して2兆円を売上げる予定、HuaweiのAIチップの2倍を販売して存在感を示す


アメリカが中国に対する高性能半導体の輸出を制限する中で、半導体企業は輸出制限に適合する半導体の中国への販売を続けています。新たに、NVIDIAが中国向けAIチップ「H20」を今後数カ月で100万個以上販売する予定であることが報じられました。
Nvidia to make $12bn from AI chips in China this year despite US controls
https://www.ft.com/content/b76ef55b-21cd-498b-ac16-5660908bb8d2
Nvidia to sell AI chips worth $12B in China
https://www.cryptopolitan.com/nvidia-to-sell-ai-chips-worth-12b-in-china/
中国はAIの研究開発に力を注いでおり、生成AIに関連する特許の出願数はアメリカに6倍近くの差を付けて世界1位となっています。アメリカは中国のAI研究開発を軍事上の脅威と認識しており、AI研究に使われる高性能半導体の輸出を制限しています。
アメリカが中国へのAIチップ輸出制限を強化しNVIDIA製チップの輸出が困難に - GIGAZINE


アメリカから中国への半導体輸出制限はすべての半導体を対象としているわけではなく、規定以上の性能を備えた半導体のみが制限対象となっています。このため、NVIDIAやIntelなどの半導体企業は半導体製品の性能抑制版を開発して中国向けに販売しています。NVIDIAはAI処理に特化したチップ「H100」の性能制限版である「H20」を開発しており、2024年2月頃に予約注文の受付を開始したことが報じられていました。
NVIDIAが中国専用の新しいAIチップ「H20」の予約注文を開始、価格は約180~220万円 - GIGAZINE


新たに市場調査会社のSemiAnalysisが報告した「NVIDIAのチップ出荷量推計」によると、NVIDIAは今後数カ月でH20を100万個以上出荷する予定とのこと。H20の価格は1個あたり約180万~220万円とされているため、NVIDIAはH20だけで2兆円規模の売上を計上することになります。
中国企業のHuaweiが開発したAI処理チップ「Ascend 910B」はH20よりも高い性能を備えているとされていますが、同期間での出荷量はH20の半分程度に収まるとのこと。このことからも、中国のAI開発機関がNVIDIA製チップに対して高い関心を示していることが示されています。
なお、2023年12月にはアメリカのジーナ・ライモンド商務長官が「規制された製品を再設計した新製品は直ちに追加の制限の対象となる」と発言しています。このため、将来的にH20も追加の規制対象に指定される可能性があります。
アメリカがNVIDIAに中国向けチップの製造をやめるよう警告 - GIGAZINE


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