画像生成ソフトウェア「ComfyUI」のノードにキーロガーが仕込まれていたことが発覚、クレジットカード情報やパスワードなど全ての入力が筒抜けに

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ノードベースの画像生成ソフトウェア「ComfyUI」向けに作られたノードの一つ「ComfyUI_LLMVISION」にマルウェアが仕込まれていることがわかりました。発覚後、ComfyUI_LLMVISIONのGitHubリポジトリが削除されています。
PSA: If you've used the ComfyUI_LLMVISION node from u/AppleBotzz, you've been hacked
byu/_roblaughter_ incomfyui
クリエイターのロブ・ラフター氏がRedditで共有したところによると、ComfyUI_LLMVISIONをインストールして使用した場合、ブラウザのパスワード、クレジットカード情報、閲覧履歴がWebhook経由でDiscordサーバーに送信されてしまうとのこと。
ラフター氏自身も影響を受け、ComfyUI_LLMVISIONをインストールした約1週間後に多くのサービスで「悪意のあるログイン通知」が大量に送られてきたそうです。

画像生成ソフトウェア「ComfyUI」のノードにキーロガーが仕込まれていたことが発覚、クレジットカード情報やパスワードなど全ての入力が筒抜けに - 画像


ComfyUIはノードを組み合わせて各種機能を実行できるAI実行インターフェスで、ComfyUI向けに作られたさまざまなノードが存在します。ComfyUI_LLMVISIONは特に「GPT-4およびClaude 3の統合」をうたっていたノードでした。
ラフター氏によると、ComfyUI_LLMVISIONノードの「requirements.txt」にOpenAIとAnthropicライブラリ用のカスタムホイールがあり、これらのホイールの中に悪意のあるコードが含まれているとのこと。
ホイールには「1.16.2」または「1.30.2」とラベル付けされたものがあり、ホイールをダウンロードし、解凍して中身を見ることが可能。
1.16.2と書かれたホイールがインストールされている場合、パッケージの中に「/lib/browser/admin.py」がありますが、このファイルはブラウザのデータを読み込み、tempディレクトリのpre_XXXX_sufというサブディレクトリに保存するものだとのこと。このサブディレクトリ内に、ChromeやFirefoxのデータに対応するC.txtとF.txtがあり、これらファイルの中に暗号化された文字列が含まれています。復号すると、Discordのウェブフック「https://discord.com/api/webhooks/1226397926067273850/8DRvc59pUs0E0SuVGJXJUJSwD_iEjQUhq-G1iFoe6DjDv6Y3WiQJMQONetAokJD2nwym」であることが分かります。ラフター氏によると、このファイルはユーザーデータを上記Webhookに送信するものだそうです。
1.30.2がインストールされている場合、内部に「openai/_OAI.py」が見つかります。中に暗号化された2つの文字列があり、それがPastebinのリンクになっているとのこと。最初のPastebinのリンクは暗号化された文字列で、解読すると別のDiscordのWebhook「https://discord.com/api/webhooks/1243343909526962247/zmZbH3D5iMWsfDlbBIauVHc2u8bjMUSlYe4cosNfnV5XIP2ql-Q37hHBCI8eeteib2aB」が見つかります。2つ目のリンクには、悪意があると思われるファイル「VISION-D.exe」のURLが含まれていて、スクリプトによりファイルがダウンロードされて実行されるとのこと。
ComfyUI_LLMVISIONをインストールした覚えがある人で、影響を受けているかどうかを確認したい場合、C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Tempをチェックし、「pre_XXXX_suf」というフォーマットのディレクトリを探し、中に「C.txt」と「F.txt」があるかを確認すべきとのこと。存在する場合、データは危険にさらされているそうです。
また、「python_embeddedsite-packages」に以下のパッケージがある場合もデータが危険にさらされている場合があるとのこと。
・openai-1.16.3.dist-info
・anthropic-0.21.4.dist-info
・openai-1.30.2.dist-info
・anthropic-0.26.1.dist-info
または、「HKEY_CURRENT_USER」の下のWindowsレジストリを確認し、FunctionRunの値が1になっている場合もデータが侵害されているようです。
ラフター氏が知る限りの対処法は、上記パッケージを削除するか、Windowsレジストリで上記のキーを削除するか、下記のファイルを削除するか、マルウェアスキャンを実行するなど。
・lib/browser/admin.py
・lib/browser/admin.py
・Fadmino.py
・VISION-D.exe
ラフター氏は「これからは、インストールするカスタムノードや拡張機能のすべてを注意深くチェックすることにします。このコミュニティでは(マルウェア騒ぎなんて)起こらないと思っていたが、どうやらそういう人もいるようだ。作成者はクソだ」と記しました。

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