Appleが間もなくAI生成の絵文字やOpenAIとの提携を発表するとの報道

Appleが間もなくAI生成の絵文字やOpenAIとの提携を発表するとの報道 - 画像


Appleは2024年6月11日に年次開発者向けイベントのWWDC24を開催予定です。Appleはこの中でAI機能を発表すると目されているのですが、その機能のひとつとして「AI生成の絵文字」が登場するとBloombergが報じています。加えて、AppleはAI機能の提供でOpenAIとの提携を発表する可能性も取り沙汰されています。
Apple iOS 18, macOS 15 AI Features: Project Greymatter, Privacy, OpenAI Deal - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2024-05-26/apple-ios-18-macos-15-ai-features-project-greymatter-privacy-openai-deal-lwni63s3


Apple’s WWDC may include AI-generated emoji and an OpenAI partnership - The Verge
https://www.theverge.com/2024/5/26/24165040/apple-wwdc-2024-ai-openai-ios-18-macos-15-iphone-macbook
Report: Apple signs deal with OpenAI for iOS, still wants Google as an 'option'
https://www.androidauthority.com/apple-signs-deal-openai-iphones-3446254/
AppleがAIの開発に取り組んでいることは長らくウワサされていますが、同分野ではMicrosoftやGoogleなどがはるか先を行くのが現状です。Appleはそんな状況の中でWWDC24を開催し、他社に負けない魅力的なAI機能を発表しなければいけません。
そんなAppleのAI戦略の中心となるのが「Project Greymatter」と呼ばれるAIツールであると、Apple関連のリーク情報でおなじみのマーク・ガーマン記者が指摘しています。Project GreymatterはSafari、写真、メモといったApple純正アプリに統合されることとなるAIで、コンピューティング負荷の低いAI機能の処理はデバイス上で実行され、より多くの処理能力を必要とする機能はクラウドで処理されることとなる模様。
Appleは新しいAI機能をiOS 18とmacOS 15に導入すると目されており、両OSにはタスクをデバイス上で処理するかクラウド上で処理するかを決定するソフトウェアが含まれることとなります。デバイス上で処理可能な機能のほとんどは過去1年間でリリースされたiPhone・iPad・Macに搭載されているチップでも処理可能となる模様。一方で、クラウド上で処理する必要のあるタスクはサーバー上にあるM2 Ultraチップで処理されることとなるそうです。
AppleがAIデータセンター向けの新しい専用チップを開発中との報道 - GIGAZINE


この他、Appleはボイスメモアプリでの文字起こし、AIによる写真のレタッチ、Spotlightでの検索の高速化と信頼性の向上など、いくつかの機能を計画しています。また、Safariのウェブ検索も改善され、メールやテキストメッセージへの返信も自動で提案されるようになる模様。
さらに、音声認識アシスタントのSiriもAIによりアップグレードされることとなります。Appleは独自の大規模言語モデル(LLM)に基づきより自然な対話ができるようにSiriをアップグレードすることを計画しており、外出先での作業用により高度なSiriがApple Watchにも搭載されることが期待されているそうです。さらに、Xcodeなどの開発者ツールもAIにより強化されるとみられています。
注目すべきAI機能のひとつが「絵文字に生成AIを導入する」というもの。Appleはユーザーがテキストメッセージで送った内容に基づいて、AIがカスタム絵文字を即座に作成するソフトウェアを開発しています。これにより、iPhoneやその他のデバイスでAppleが提供している絵文字を超え、あらゆる場面で全く新しい絵文字を利用できるようになると目されます。
他にも、AppleはAIを用いてウェブページやニュース記事、文書、メモ、その他のメディアの要約を作成することを計画しています。
AIとは関係ないものの、AppleはiOS 18でiPhoneのホーム画面を改良することも計画しているそうです。iOS 18の新しいホーム画面ではアプリアイコンの色を変更したり、好きな場所に配置したりすることが可能となります。例えば、ソーシャルメディアアプリのアイコンはすべて青色に統一したり、金融関連のアプリアイコンはすべて緑色に統一したり、といったことが可能となります。さらに、Appleが2007年にiPhoneを発売した当初から存在する「アプリ配置に関する厳格なルール」がなくなり、アプリを自由に好みの位置に配置できるようになります。
Appleは独自のチャットボットを開発しているとも報じられていますが、この独自チャットボットは全く基準に達していないと指摘されています。そのため、AppleはGoogleおよびOpenAIとチャットボットをiOS 18に統合すべく協議を繰り広げてきました。最終的に、AppleはOpenAIと提携し、これをWWDC24の中で発表することになるだろうとガーマン氏は指摘しています。なお、ガーマン氏は「AppleはAI分野での競争は難しいものであると認めています。しかし、AppleがOpenAIと契約を結ぶことで、最先端のチャットボットを手に入れることができ、そうすればGoogleのGeminiを採用しているSamsung製スマートフォンに対して優位を得ることができます」と指摘しました。
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ただし、OpenAIと提携することにはリスクも伴うとガーマン氏。OpenAIは著作権侵害で新聞社やアーティストなどから訴訟を提起されており、発表したばかりのGPT-4oにおいてハリウッド女優のスカーレット・ヨハンソン氏との間でもいざこざが起きています。
スカーレット・ヨハンソンがGPT-4oの新音声が自分と似ていることについて「ショックを受け、怒りを覚えた」と意見表明 - GIGAZINE


そのため、AppleはiOSのAI機能の供給元としてOpenAIのみを受け入れることには満足していない可能性があるとガーマン氏。そのため、AppleはGoogleともGeminiの利用について引き続き協議を進めているものの、これがWWDC24の中で発表されることは期待できないと指摘しました。

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