仮想通貨詐欺「豚殺し」での110億円の資金洗浄で中国人2人が逮捕される

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アメリカ司法省が2024年5月17日に、SNSや出会い系サイトで出会ったターゲットに仮想通貨投資を勧めて金銭をだまし取る「豚殺し」に関与したとして、中国籍の容疑者2人を逮捕し、起訴したことを発表しました。
Office of Public Affairs | Two Foreign Nationals Arrested for Laundering At Least $73M Through Shell Companies Tied to Cryptocurrency Investment Scams | United States Department of Justice
https://www.justice.gov/opa/pr/two-foreign-nationals-arrested-laundering-least-73m-through-shell-companies-tied
US arrests suspects behind $73M ‘pig butchering’ laundering scheme
https://www.bleepingcomputer.com/news/security/us-arrests-suspects-behind-73m-pig-butchering-laundering-scheme/
「豚殺し」は、メッセージアプリなどで被害者と信頼関係を構築しながら巧みに投資詐欺を持ちかけるのを養豚に見立てて中国語で「殺猪盤(Sha Zhu Pan)」、英語で「Pig Butchering(豚殺し)」と呼ばれている中国発の詐欺で、アメリカを中心に世界的に被害が広がっています。
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アメリカ司法省は、この仮想通貨投資詐欺で得た資金の洗浄に関与した疑いで、中国とセントクリストファー・ネイビスの二重国籍のダレン・リー(41歳)を2024年4月12日にハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港で、中国国籍のイーチェン・チャン(38歳)を2024年5月16日にロサンゼルスで逮捕したと発表しました。
裁判所に提出された文書によると、両容疑者には被害者に投資詐欺を持ちかけて、数十のダミー会社の銀行口座に金銭を振り込ませる国際投資詐欺シンジケートを指揮していた疑いが持たれているとのこと。
被害者からだまし取られた資金は、その後国内外の銀行口座や仮想通貨プラットフォームに送金されてマネーロンダリングされており、その中にはバハマに送金されて仮想通貨のUSDT(テザー)に交換された7300万ドル(約113億円)も含まれています。また、この計画に関与した仮想通貨ウォレットには約3億4100万ドル(約531億円)分を超える額の仮想通貨があったことも判明しています。
この投資詐欺の捜査を行っていた当局は、両容疑者と配下の共謀者との通信記録から、資金洗浄の過程で利用したダミー会社の詳細、アメリカの金融機関との間で行われたビデオ通話の内容、被害者情報などの犯罪ネットワークの全容を洗い出しました。

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アメリカ合衆国シークレットサービス(U.S. Secret Service)のブライアン・ランバート捜査次長は、「豚殺しのような複雑な金融スキーム詐欺は、数え切れないほどのアメリカ人に被害を与えており、今日のアメリカの金融インフラに対する明確な脅威となっています。2023年、シークレットサービスは協力機関とともに11億ドル(約1715億円)以上の被害額を押収しましたが、2024年はこれを上回るペースです」と話しました。
リー容疑者とチャン容疑者は、資金洗浄の凶暴と6件の国際マネーロンダリングで起訴されており、有罪判決受けた場合、両容疑者にはそれぞれの罪で最高20年の懲役刑が科せられる可能性があります。

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