Microsoftが「MS-DOS 4.0」をオープンソース化


Microsoftが1986年にリリースした「MS-DOS 4.0」が、現地時間の2024年4月25日にオープンソース化しGitHub上で公開されました。
Open sourcing MS-DOS 4.0 - Microsoft Open Source Blog
https://cloudblogs.microsoft.com/opensource/2024/04/25/open-sourcing-ms-dos-4-0/

Microsoftが「MS-DOS 4.0」をオープンソース化 - 画像


Microsoftは2014年3月にMS-DOSのバージョン1.25および2.0のソースコードをコンピューター歴史博物館経由で公開しました。これには「MS-DOSがどのように誕生したのか」についてをまとめる歴史的資料という意味合いも含まれていたそうです。
その後、MicrosoftはMS-DOSのバージョン1.25および2.0を再度オープンソース化し、GitHub上でソースコードを公開しました。
オープンソース化されたMS-DOSのソースコードがGitHubで公開される - GIGAZINE


by Jeff Dlouhy
この取り組みに続く形で、MicrosoftはIBMと提携してオープンイノベーションの精神に基づきMITライセンスの下でMS-DOS 4.0のソースコードをGitHub上で公開しました。
GitHub - microsoft/MS-DOS: The original sources of MS-DOS 1.25, 2.0, and 4.0 for reference purposes
https://github.com/microsoft/MS-DOS

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Microsoftで開発コミュニティのヴァイスプレジデントを担当するスコット・ハンセルマン氏とオープンソースプログラムオフィスの責任者を務めるジェフ・ウィルコックス氏は、「MS-DOS 4.0の背後には幾分複雑で興味深い歴史があります。Microsoftはコードの一部についてIBMと提携しましたが、同時にマルチタスクDOSと呼ばれるDOSのブランチも作成しており、これは広くリリースされることはありませんでした」と記しています。
そもそもMicrosoftがMS-DOS 4.0をオープンソース化することになったのは、若いイギリス人ソフトウェア研究者のコナー・ハイド氏が、自身が集めたレトロソフトウェアについて元Microsoftの最高技術責任者(CTO)であるレイ・オジー氏と文通したことがきっかけです。オジー氏はハイド氏のコレクションの中で、Lotus Notes在籍時に作成されたMS-DOS 4.0の未リリース版ベータバイナリを発見したそうです。ハイド氏はMS-DOS 4.0、MT-DOS、OS/2などの関係を文書化することに取り組んでいたため、この発見されたMS-DOS 4.0の未リリース版ベータバイナリについて、Microsoftのオープンソースプログラムオフィスに連絡を取ったそうです。
MS-DOS 4.0、MT-DOS、OS/2などの一部のバージョンはインターネット上で公開されているものの、ハイド氏のコレクションの中で見つかったものは未リリースのものであったため、これまで公にされたことはなかった模様。そこで、Microsoftのハンセルマン氏は、インターネットアーキビストであるジェフ・スポノーグル氏の協力を得て、MT-DOS 4.0のオリジナルディスクをイメージ化することに挑戦しています。
MicrosoftのオープンソースプログラムオフィスはMicrosoftアーカイブからMT-DOSの完全なソースコードを見つけることはできなかったものの、追加のベータバイナリやPDFと共に、今回オープンソースとして公開されたMS-DOS 4.0のソースコードを発見することができたそうで、これにより今回のオープンソース化が実現したというわけです。

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なお、上記の通りMS-DOSの各バージョンは歴史的資料としての意味合いが強いため、GitHub上では読み取り専用として公開されています。ただし、リポジトリをフォークして実験すること自体は自由とのことです。

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