最大512GB/sでのデータ転送を実現するPCIe 7.0の暫定仕様バージョン0.5が公開される


PCI Express(PCIe)の仕様策定団体であるPCI-SIGが「PCI Express 7.0(PCIe 7.0)」の暫定仕様を公開しました。暫定仕様では初期仕様と同じくデータレートが最大128GT/s、双方向転送速度は16レーン構成で最大512GB/sとされています。
PCIe® 7.0 Specification, Version 0.5 Now Available: Full Draft Available to Members | PCI-SIG
https://pcisig.com/blog/pcie%C2%AE-70-specification-version-05-now-available-full-draft-available-members


PCI-SIGはPCIe 7.0の仕様を2025年までに確定することを目指しており、2023年1月10日には暫定仕様の「バージョン0.3」を公開していました。そして、2024年4月2日には暫定仕様の「バージョン0.5」が公開され、2025年の仕様確定に向けて作業が順調に進んでいることをアピールしました。
PCIe 7.0暫定仕様バージョン0.5では、データレートが最大128GT/s、双方向転送速度は16レーン構成で最大512GB/sとされており、2022年発表された初期仕様をそのまま引き継いでいます。また、「PAM4信号の利用」「チャンネルパラメータおよびリーチへの注目」「低遅延と高信頼製の両立」「電力効率の向上」「前世代のすべてのPCIe規格との後方互換性の維持」といった特徴も引き継がれています。
PCIe 7.0は2025年にリリース予定、データレート最大128GT/s・双方向転送速度最大512GB/sが目標 - GIGAZINE


PCIe規格の最大転送速度の推移を示したグラフが以下。PCIeの新たな規格が登場するたびに最大転送速度が倍増してきたことが分かります。


なお、PCIe 7.0の前世代であるPCIe 6.0の仕様は2022年に確定しているものの、記事作成時点ではPCIe 5.0対応SSDが普及し始めた段階で、グラフィックボードは市販製品の中で最も高い性能を備える「GeForce RTX 4090」ですらPCIe 4.0をフル活用していない状況です。
また、海外メディアのAnandTechは「PCIe 7.0は信号処理の改善でバス周波数を倍増していたPCIe 6.0とは異なり、物理層でバス周波数を倍増する必要がある。このため、PCIe 7.0に対応するデバイスの開発は困難なものとなる」と指摘しています。このため、予定通り2025年にPCIe 7.0の仕様が確定しても、対応製品が登場するのはかなり先のことになりそうです。

ジャンルで探す