Appleが空中に人の顔が浮かぶApple Vision Proの「空間ペルソナ」のパブリックベータ版をリリース

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Appleは2024年4月2日に、visionOS 1.1がインストールされたApple Vision Pro向けに「空間ペルソナ」を導入しました。この空間ペルソナを実際に試した複数のメディアが、その使用感をレビューしています。
Spatial Personas Make Apple Vision Pro a Less Isolating Experience
https://www.inverse.com/tech/spatial-persona-apple-vision-pro
Apple Upgrades Personas for True Face-to-face Chats on Vision Pro
https://www.roadtovr.com/apple-vision-pro-spatial-personas-hands-on/
Apple Vision Proの「空間ペルソナ」は、2023年6月のWWDC基調講演後の開発者セッションで発表され、2月にベータ版が公開された機能です。当初は「空間にぼんやりと浮かぶ顔と手が不気味」と不評でしたが、これをより自然にしたパブリックベータ版が2024年4月2日にリリースされました。
以下は、海外メディア・Inverseのレビュー担当副編集長であるレイモンド・ウォン氏が自分の顔を元に作成した空間ペルソナです。以前は髪がプラスチックのように見えていましたが、それが改善されているとのこと。

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ウォン氏が、AppleのPRチームからの招待を受けて、FaceTime通話で空間ペルソナの使用を開始したところ、2人のスタッフの顔、手、胴体が両脇に表示され、あたかも3人で立ち話しているような感覚になったそうです。
空間ペルソナでは単に空中に顔が浮かぶだけでなく、ウォン氏が自分のリビングルームを物理的に動き回ると、2人は近づいたり遠ざかったりしました。また、他の空間ペルソナを通過しようとすると、相手の空間ペルソナが丸い連絡先カードに変わったため、パーソナルスペースが尊重されているように感じたとウォン氏は述べています。
空間ペルソナでは位置関係と同様に方向も考慮されており、ウォン氏が左手で左側の空間ペルソナを指さすと他の全員にもそれが伝わって、指さされた相手からは、自分の右側からウォン氏が手を向けたことがわかるようになっていました。
また、ノートPCやスマートフォンを使った普通のビデオ通話では、画面とカメラの位置が異なるため普通は目が合いませんが、Apple Vision Proの空間ペルソナでは自然に相手の目を見て話すことができたため、よりリアルで親密な会話ができたとのことです。

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空間ペルソナをレビューした別のIT系ニュースサイトであるRoad to VRも、最も興味深い点として「移動」を挙げています。空間ペルソナでは、物理的に歩いて行くことで他の人のアバターに近づけますが、自分が移動する代わりに空間ペルソナの位置関係そのものを近づけたり遠ざけたりすることも可能なので、相手の空間ペルソナが物理的な空間の外にある場合でも距離の調節ができるようになっているとのこと。
他の人の空間ペルソナにぶつかると相手がカード化し、相手からも自分がそうなったように見える仕様について、Road to VRは「嫌がらせや荒らしに使われる可能性を避けるためでしょう」と指摘しています。
また、ヘッドセットの空間オーディオにも対応しており、相手の音声も相手の方向から聞こえるので、話をしている相手があたかも自分の部屋にいるように感じられるとのこと。音響はその場に設定した環境によっても変化するため、例えばジョシュアツリー国立公園の環境では、近くの岩肌に人の声が反響したように聞こえてきて、「自分の部屋から外へと音響がフェードアウトするのが聴けるのは、ちょっとした魔法でした」とRoad to VRは述べました。

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