OpenAIが動画生成AI「Sora」でどんな動画を作れるか示す作例を大量公開


ChatGPTの開発元として知られるOpenAIは、テキストを入力するだけで高画質な動画を生成できるAI「Sora」の開発も進めています。新たに、Soraを用いて作成された動画の実例が大量に公開されました。
Sora: First Impressions
https://openai.com/blog/sora-first-impressions
Soraはテキストを入力するだけで最長1分間の動画を生成できるAIです。Soraは動画生成時に物理法則をシミュレートすることを特徴としており、被写体を違和感なく動かしたりカメラアングルをダイナミックに変化させたりできます。Soraの特徴は以下の記事で詳しくまとめています。
テキストから物理法則をシミュレートしながら動画を生成するAI「Sora」をOpenAIが発表 - GIGAZINE


OpenAIはすでに複数のアーティストを対象にSoraのテスト提供を始めており、アーティストからのフィードバックを得ながらSoraの開発を進めています。そして、2024年3月25日には複数のアーティストによる作品とSoraを使った際の感想が公開されました。以降の画像をクリックすることで動画の再生ページにアクセスできます。
カナダのトロントを拠点に活動するアーティストチーム「shy kids」が作成した映像作品が以下。頭部が風船でできている人物の物語が描かれています。作品の監督を務めたウォルター・ウッドマン氏は「Soraは写実的な動画を生成する能力にも優れていますが、私たちはSoraの超現実的な動画を生成する能力に興奮しました。今にも湧き出しそうなストーリーを胸に抱えている世界中の人々にとって、ついにその中身を世界に見せるときが来たのです」とコメントしています。


映像作家のポール・トリロ氏による作品が以下。動画には「高速に動くカメラが次々に別の景色を映す」「金属的な質感の人型の物体が球体に変化する」といった表現が含まれています。トリロ氏は「(Soraを用いた制作は)時間、お金、他人の許可といった制限を受けないため、大胆で刺激的な方法でアイデアを出して実験できます」「Soraが最も力を発揮するのは古いものを模倣するときではなく、これまで見ることのなかった新しいアイデアに命を与えるときです」と述べています。


ミュージシャンのオーガスト・カンプ氏は「動画内に描写されたモニターの中に動画が映し出される」という表現を実現しています。カンプ氏は「手段とアイデアの相反によって表現範囲を制限されてきた私のようなアーティストにとって、大きな転機となります。映画のような描写を直感的かつ反復的に構築できるようになったため、私の芸術性に新たな道が開かれました。このようなツールによってどのようなストーリーテリングが可能になるのか楽しみです」と述べ、Soraの登場を歓迎しています。


メタバースやAIに関連するアートを得意とするドン・アレン3世氏が作成した動画が以下。現実世界には存在しない複数のクリーチャーが登場します。アレン3世氏はSoraを使うことでアイデアのプロトタイプを簡単に作成できたとのこと。また、Soraのメリットとして「伝統的な物理法則や思想の慣習に縛られない」という点を挙げています。


なお、記事作成時点では、Soraの正式リリース時期は明らかにされていません。

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